【双子の日常】 弟です。 ページ15
風邪を引いた俺はベッドの上でぼんやりと天井を見つめていた。
体が熱く、布団の中はかなりの高温だ。
絶対うつされたよ、ほぼ確定だよ犯人は。
そしてその張本人は今週末遊びに行くときに着る服を買いに行っている。
ついでに何かお惣菜も買ってきてもらおう。
勿論姉の所持金で。
体が思うように動かず、ゾンビのようになりながらスマホを手に取った。
通話ボタンを押し、電話を掛けた。
「姉ちゃん。」
「何ー？」
だるくて声もなかなかでない俺とは対照的に大きく明るい声が聞こえる。
「ちょっとお惣菜も買ってくんない？」
「ごめん、まだ必要な服買えてないんだよね……。」
……一時間前に家をでてませんでしたっけ？
「うん、じゃあなるべく早く買って戻ってきて。」
ツンデレ、ツンデレなのか！と叫ぶ姉をうるさい、の一言でしずめる。
「いやぁツンデレな弟のためにも早く帰りたいのはやまやまなんだけど見つからないんだよね。」
「何が見つからないの。」
もうツンデレはスルーすることにした。
「それがどこ探してもスープしかない。」
「スープしかないってどういうこと？」
「スープしかないっていう意味だよ。」
「わかったから早くそのスープ路からでて！」
「そんな叫ばないでよ！！」
いや、今のは姉ちゃんの方が叫んでたよね。
といってももう一度大声を出すのもしんどいのでそのままにした。
足音が途切れ、また音声がながれてくる。
「さっきよりスープがある。」
「なんでさっきよりスープがあるんだよ！？」
「さっきよりスープがあるからだよ！！」
もうしんどいんですけど……。
「次の通路行って！」
「またスープだ。」
なんで服買いにいってんのにスープしかないんだよ。
「姉ちゃん今どこにいんの！？」
「スープにいるの！！」
訳の分からない答えが返ってきた。
「スープにいるってどういうことだよ！？」
「スープにいるっていう意味じゃん！！」
あーもうどうなってんだよ。
「姉ちゃん今何の店にいんの！？」
「スープストアですけど！？」
おい……。
「なんでスープストアで服かおうとしてんだよォォォ！」
「く、くたばれェェェェ！！！」
やっぱり姉はバカだと思う。
つーかよくスープストアなんて店見つけたな。
＊＊＊＊＊＊
とある外国の漫才を参考にさせていただきました。
【双子の日常】お姉ちゃんだよーっ！→←【双子の日常】 弟です。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：相良 夜恵 x他1人 | 作成日時：2017年4月19日 22時
