お姉ちゃんだっよーん！……と弟です。 ページ11
さてと、私も問題に取り掛かろっと。
「よォカルマァ、あのバケモン怒らせてどーなっても知らねーぞー」
「またおうちにこもってた方が良いんじゃなーい」
「…人を挟んでケンカ売んないでよ。」
「殺されかけたら怒るのは当たり前じゃん
しくじってちびっちゃった誰かの時と違ってさ。」
「え、無視？待って無視って1番辛い。」
「な、ちびってねーよ！！テメケンカ売ってんのか！！」
ドン！と机を叩く寺坂と悠々としているカルマ。
人の話を聞いちゃいないな！
「こらそこ！テスト中に大きな音立てない！！」
「せんせー！自分の触手に言ってください！」
補足
紫陽花の席は、狭間さんの後ろでカルマと寺坂の間
阿須汰の席は、奥田さんの後ろでカルマの隣
「ごめんごめん殺せんせー。
俺もう終わったからジェラート食って静かにしてるわ。
ほら、阿須汰君も甘いの好きでしょ？」
そういいながら差し出してきた紫のジェラートを受け取って一口食べてみる。
……隣から姉のものであろう物凄い視線を感じるが気にしない。
葡萄味だ。
「まったくどこでそんなものを……そっそれは先生が昨日イタリアで買ってきたやつ！」
おまえのかよ。
しかも解けないように成層圏とんでくるとか……気持ちはよくわかるよ、気持ちは。
残りなめるって……気持ちはよくわかるよ、気持ちは。
どんどんと不機嫌そうに歩いてくる殺せんせー。
あーあ。
ちゃんと下見なきゃ。
気持ち悪い音を立てて触手がとけた。
どうやらそれでようやく床にある対先生ＢＢ弾に気が付いたらしい。
「何度でもこういう手使うよ？
嫌なら俺でも俺の親でも殺せばいい。
でもその瞬間から……あんたはただの人殺しのモンスターさ。
あんたという先生は俺に殺されたことになる。」
そういってカルマはジェラートを殺せんせーに押し付けた。
……もったいない。
横で姉も同じことを思ったのか絶望的な顔をしている。
「じゃあね、先生！
明日も遊ぼうね！」
憎らしいほどさわやかな笑みでそういうとカルマは教室を後にした。
カルマは頭の回転が速い……認めたくはないが。
今だってそうだ。
殺せんせーにぎりぎりのかけひきを仕掛けられるのは先生が先生であるためには越えられない一戦が見抜けているからこそ。
だが、その頭の良さと器用さを人とぶつかるために使ってしまっているのが現状だ。
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作者名：相良 夜恵 x他1人 | 作成日時：2017年4月19日 22時
