乙女と天秤 ページ40
紫side
部活の先輩の弟で、愛想のいい子。
最初はその印象だけだった。
｢あ、｣
｢？こんにちは、…じゃあ俺そろそろ行くねー｣
｢うん、気を付けて〜｣
｢みずっこん、今のは？｣
｢あぁ俺の弟、隣町の進学校通ってんだよね｣
｢弟なんかいたんだ｣
｢言ったことないっけ？お前と同い歳だよ｣
｢そうなんだ｣
.
.
あれ…あれは、
帰り道、本屋の前を通ったらこの前会った彼がいた。
｢あ、この前の…｣
五冊程度の本を抱えてこちらへ近付いてくる様子がなんだか小動物みたいで、思わず表情筋が緩む。
｢こんにちは、えっと…｣
｢作間龍斗です、みずっこんの弟君だよね、｣
｢あっ、蒼弥です、…お兄ちゃんから聞きました、同い歳なんですよね？凄い大人びてるから歳上だと思ってて｣
｢あはは、よく言われます笑……てか、｣
｢あのっ、……あ、先、どうぞ｣
｢あ、…じゃあ、あの、タメだし、敬語無しにしない？｣
｢えっ、はぃ、う、、うん！｣
｢良かった、…さっき何言おうとしてたの？｣
｢ううん、俺も敬語無しって言おうとしてた…だからびっくりした笑｣
一人称はふわふわした雰囲気似合わない 俺 である事に少し驚く。
これが女子が言うギャップってやつか。
｢本、めっちゃ持ってるけど重くない？大丈夫？｣
｢あっ、全然大丈夫！…俺、本好きで、欲しい本あり過ぎて気付いたらこうなっちゃうの笑これから選別するとこだよ｣
｢そっかあ、｣
なんか蒼弥くんらしいね、と言いかけてやめておく。
そう言える程深い仲ではまだ無いし。
｢龍斗くんは？｣
｢あー、集めてる漫画の最新巻出てるかなって｣
｢そうだったんだぁ｣
外から蒼弥くんの姿が見えたから立ち止まった事は言わない。
なんでか分からないけど言わない方がいい気がした。
｢んー、じゃあ、今日会えたのもなんかの縁だし、俺が今日買う本、選んで？｣
｢えっ、でも俺全然本分かんないけど｣
｢いいの、ほら、本って中身も大事だけど見た目で惹かれたりするじゃん？だから、龍斗くんが好きなやつ、選んで？｣
さっきから 龍斗くん って読んでくれるけど、家族以外で下の名前で呼ばれたのは小学生ぶりとかだろう。
｢んー、、じゃあ、これ｣
薄紫のスミレが描かれた本を選ぶ。
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水曜日(プロフ) - soya._.soyaさん» こちらこそです！そう言っていただけて何よりです！ありがとうございます！(^^) (2021年6月8日 23時) (
レス) id: 14fb495496 (このIDを非表示/違反報告)
soya._.soya(プロフ) - ありがとうございました！最後にセリフが凄いゾクっとして、お話もドキドキしました！又リクエスト開始したらさせて下さい！新作の方も楽しく見させてもらってます！ (2021年6月8日 22時) (レス) id: f139f64694 (このIDを非表示/違反報告)
soya._.soya(プロフ) - 水曜日さん» ありがとうございます！ (2021年6月7日 6時) (レス) id: f139f64694 (このIDを非表示/違反報告)
水曜日(プロフ) - soya._.soyaさん» 分かりました！書かせて頂きますね！ (2021年6月7日 3時) (レス) id: 14fb495496 (このIDを非表示/違反報告)
soya._.soya(プロフ) - おねだりしちゃうと言うお話が読みたいです。よろしくお願いします！ (2021年6月7日 0時) (レス) id: f139f64694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水曜日 | 作成日時：2021年5月15日 21時
