Sapphire

夜空に浮かぶ泉 ページ30

緑side

｢一回休憩しよっか？俺水取ってくるね｣




｢…うん｣




そう言って一旦部屋を出たドラマの役作りによって以前よりも割れ目の増えた恋人の腹筋が目に入った。





ドラマの撮影で相当疲れてるはずなのに、彼奴はどうしてこんなに体力があるんだろうか。







今日は朝YouTubeの撮影で結構体力を使った後、俺は雑誌撮影、彼はドラマ撮影で、終わってから合流して今に至る。





正直、体力消耗する系の仕事の日は帰ってそのままずっと寝てしまいたい。




でも恋人との逢瀬は大事にしたいし、なにより求めてくれるのが嬉しいから付き合ってあげたいけど俺にだって限界はある。




今だって休憩中だけど、もう割と限界寸前だ。





どうしたら彼みたいに体力がつくのか。







｢………筋トレ、やろうかな｣






｢筋トレ？いきなりどうしたの？｣





気付いたら彼が戻ってきていて、独り言を聞かれた。





｢いや、なんもないよ｣




｢なんもなくないでしょ〜〜？だって俺ガリさんにムキムキになられたら困るよ｣




｢なんで？｣




｢だって抱き心地最高だし〜｣




そう言って後ろから抱きついてくる彼にキュンとしつつも言い返す。





｢なにそれ、悪口じゃん笑｣





｢違うよ〜〜！！なんていうの？ぬいぐるみみたいな？｣





｢もーいいし、｣





｢ごめんって〜っ、でも、ほんとになんでいきなり筋トレ？？｣




｢いいよその話はー、、｣




｢いーじゃん、教えてよ｣





｢……どうしたら、もつかなって、｣






｢もつ？？｣





｢…どうしたら！作ちゃんみたいに体力もつかなって思ったの！……もう！この話終わりね、！｣






｢……それって、……俺ともっとしたいって事、、？｣





｢だって、いっつも、俺の体力が尽きちゃって、物足りないって思ってるのかなって…｣





｢っ、、そんなこと思ってるわけないじゃん、！！｣





｢ほんとに、？｣




｢俺は一回でも出来るだけで幸せだよ、｣




｢そ、そっか、、｣




｢…でも、そんなふうに思っててくれたんだ｣




｢うん、｣




｢じゃあ、一緒に体力作り、する？｣




｢え？｣




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