Dahlia

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紫side

｢…蒼弥だけは瑞稀って呼んでいいよって言ってるんだけどなっ……まぁ、謙虚な所も可愛いけどね｣


そう言って蒼弥の頭を撫でるのは、井上瑞稀____この学園の生徒会長である。


厄介なのは、此奴が上級生の為余り強く出れないのと…


｢、謙虚なんかじゃ、無いです｣


蒼弥が照れた表情を見せることだ。
蒼弥が言うには此奴の顔は可愛いらし過ぎて近寄られると、とても恥ずかしくなるそう。
俺には到底理解出来ない感覚だが。


｢全く、作間は相変わらず、愛想が悪いな｣


｢…愛想を振りまく意味も無いので｣


｢お前は本当に変わらないな…｣


｢……失礼します｣


蒼弥の手を取り会長の前をさっさと通り過ぎる。


｢っちょっと、作ちゃんっ！…会長、、失礼しますっ｣


｢またね、蒼弥｣


.


.



｢会長、作間という生徒の、あの失礼な態度は会議で報告しなくて良いのですか？｣


｢良いよ、別に……変な虫が付いても困るし？｣


｢はぁ…｣


｢那須、お前は "姫" の事、どう思う｣


｢可愛らしい、、言わば、学園の癒し…でしょうか｣


｢癒し、ね…｣


｢会長…？｣


｢いや、なんでもない、生徒会室に戻ろう｣


｢はい、｣


.


.


〜〜〜


｢作ちゃん、一時間目、なんだっけ｣


｢ん、数学だったと思う｣


｢数学かぁ〜｣


やっと、一日が始まる。
ここまでの長いやり取りはほぼ毎日繰り返される。

諦めの悪い奴らだ、俺がいる限り蒼弥に近づくなんて出来ないのに。


｢数学、嫌いだっけ？｣


｢ううん、そんなことないよ、だって、｣


｢だって、？｣


｢…前で発表する作ちゃん、かっこいいし｣


｢っ、蒼弥、｢ガリさん！ガリさん！俺は？！？！｣



…



｢いや、大昇は寝てるだけでしょ、笑｣


｢そんな事無いですー、ガリさんの事見つめてる時もあるしーっ｣


｢何それ笑｣


｢痛っ！！ちょっと作間くん！暴力反対！｣


｢黙れ、蒼弥に話しかけんな｣


｢ちょ、ちょっと！本当に！死んじゃうから！ギブギブ！！！｣


…教室でも、気は抜けない。


.


.


.

〜〜〜

｢ぅーん……｣


｢蒼弥、体調悪い？｣


｢ん、……ちょっと、保健室行ってくる｣


｢っ、付き添うよ｣


｢ありがと、｣


蒼弥は身体そんなに強い方では無いのでよく保健室を訪れるのだが…


保健室には最大の敵がいる。


.


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ｶﾞﾗｶﾞﾗ


｢あっ、蒼弥、どーした？体調悪くなっちゃった？｣

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