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優「A〜、どこ行きたい？」
「んー、あ、あそこの雑貨屋さん可愛い！」
優「じゃあ入るか！」
しっかりと繋がれた優太の手が私を雑貨屋さんへと誘導する。
優「え、ちょ！すげーこれ可愛い！ねぇこれ可愛くない！？え、なんでA笑ってんの？」
雑貨を見て子供みたいにきゃっきゃっ騒ぐ優太が微笑ましくてつい笑ってしまった。
「あ……これ可愛い」
目線の先には桜の花びらの形をした小物ケースが置かれていた。
色合いも好みで、コンパクトなサイズが可愛らしい。
優「おっ可愛いじゃん！Aの鞄についてるキーホルダーにも似てるし！」
「え…？」
優「え？あ、これこれ。Aの鞄についてるこのキーホルダーもこんな感じの色と形してるじゃん！なんかこういうの好きそうだもんな！」
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胸が痛む音がした。
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「…ごめん、トイレ行ってくる」
優「え、ちょ、A！？」
繋がれた手をふりほどいて、雑貨屋さんを出た。
どうして。
なんで。
無意識につけていたっていうの…？
そんなこと……。
来た道を全速力で走る。
優太から逃げるように。
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ドンッ
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誰かにぶつかったと同時に思いっきり転んでしまった。
「……あのすみません」
『………』
ぶつかった相手はしゃがみこんで私の顔を見るなり黙り込んでしまった。
怒っているかな。
私何かされるかな。
サングラスをかけていて表情が読み取れない。
分かるのは男の人っていうことだけ。
『……ごめん、立てる？』
……ん？
どこかで聞いたことある声。
とりあえず彼の手をとり立ち上がった。
カシャンッ
そのとき、彼のサングラスが床に落ちた。
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目を疑った。
そんなことあるはずない。
なんで、なんで今。
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「……紫耀？」
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整っていたはずの歯車が狂い始める音がした。
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続く (更新停止中)
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作者名：きのこ | 作成日時：2019年1月19日 14時
