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華「Aー、岸くん日直だから先昇降口行っててだってー」
「分かった」
一日なんてあっという間だ。
放課後になり、私は昇降口へ向かった。
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スマホをいじりながら優太を待つ。
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優「……A!わりい、遅くなった!」
階段をドタバタ下がって申し訳なさそうな顔で私のところまで駆けつけた。
ボサボサになった髪の毛を整えるよりも先に上履きを下駄箱に入れ、急いで靴を取り出す。
優「ごめんな、待たせちゃって」
「大丈夫だよ、ていうかそんなに慌てなくていいから、ほら髪の毛あっちこっちはねてるよ?笑」
優「あー大丈夫大丈夫!Aと帰るの楽しみすぎて俺相当舞い上がってるみてーだし笑」
一緒に帰れるの久々だしなーと満面な笑みで言う優太。
狙っているのか、天然なのか笑
でもそんなことは彼の性格を知っているからすぐに予想はつく。
「今日はいつもより気分がよろしいようで?」
優「うわっなんだそのキャラ笑」
笑いながら靴を履いたあと、彼は私に手を差しのべた。
優「じゃあ、お嬢さん。遅くなったお詫びに放課後デートはいかがでしょうか?」
「喜んで!」
ふざけた会話に二人して笑う。
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最初は君のことを利用していた。
だけど、一緒に過ごしていくうちに、私は君の優しさに、まっすぐさに、いつの間にか惹かれていた。
私が幸せなんて望んでいいのか分からない。
だけど、私は優太以外何も要らないから。
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だから、優太が隣にいる時間が少しでも長く続きますように。
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作者名:きのこ | 作成日時:2019年1月19日 14時