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優太はいつでも真っ直ぐだ。
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「好きです」
それは突然だった。
喋ったことのない男の子に告白されて、最初は戸惑いしかなくて、
「…ごめんなさい」
そう答えるしかなかった。
「…そうだよな、まだ一回も喋ったことないもんな、」
そう言って切なく笑った彼を見て、少し胸が苦しくなった。
目の前にいる彼はふうっと息を吸って、また何か言う準備をした。
「だから、
まずは俺と友達になってくれませんか?」
少し不安そうに彼が言う。
友達なら、良いと思った。
「…うん」
小さく返事をすれば、彼は満面な笑みを浮かべて、ありがとう!と嬉しそうに言った。
久しぶりだった。
人の笑顔を見て、胸が高鳴ったのは。
「俺、岸優太って言うんだ」
「好きなように呼んで」
「じゃあ、岸くん」
「おう」
私が名前を呼ぶと岸くんは頬を赤らめて恥ずかしそうに返事をした。
「じゃあ、俺はAちゃんって呼んでもいいかな?」
「いいよ」
少し笑ってそう言った。
彼はさっきよりも顔を真っ赤にして、自分の髪の毛をわしゃわしゃした。
「じゃあ、よろしくね、Aちゃん」
彼は嬉しそうに私の名前を呼んだ。
そのときの笑顔が、
あの人と似ていて、胸が少しえぐられたような感覚に襲われた。
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作者名:きのこ | 作成日時:2019年1月19日 14時