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【好き】
□拍手,喝采,歓声
自分に向けられる賞賛の声をこよなく愛している。が、実のところ大勢の人々が自分の方を見て一斉に声を上げていれば何でも構わないらしく、大衆の前で人の命を奪うだけで手っ取り早く得られる「悲鳴」が一番好きであるという。
実際は悲鳴よりも真っ当に得た称賛の声の方が数十倍も気持ちのいいものであることは疑いようもないが、彼が初めて受けた“それ”は悲鳴であった。誰かから拍手や喝采を受けたことが一度もなかった彼は心のどこかでそれを欲しており、あるとき自分のとった行動によって周囲が皆一斉に悲鳴をあげたそれで、己の承認欲求を満たしてしまったのだ。以降彼は悲鳴のみを「喝采」として欲するようになり、このように歪んだ嗜好を形成していく。
【嫌い】
□女
全ての女性に対して「お美しいレディ」と呼びかけ、時には歯の浮くようなセリフすら吐く彼であるが、その心の内では女性を醜い心を持った淫らな存在であるとして徹底的に侮蔑し忌み嫌っている。その中でも特に嫌いなのが彼の完全なる独断と偏見により分類された「学生時代スクールカーストの上位層に居そうなタイプの女」。何かしらの明確な判断基準があるという訳ではなく、割と直感重視のフィーリングであるらしい。勿論実際にスクールカーストの上位層に居た女性については、たとえ彼にそう見えなかったとしても特に嫌いの枠に入る。
どうやら女性を嫌うに至った苦い思い出があるらしいが、彼がそれについて語ることはない。彼がその命を奪う相手は女性だけである。
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作者名:白銀刹那 | 作成日時:2023年4月24日 0時