1、酷い雨 ページ1
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酷い雨が朝から降り続いていた。
AAは一つにまとめた長い髪を揺らして駅まで走った。せっかく今日は0限がないから多少はゆっくり身支度できるというのに、元々少し癖のある長い髪は湿気で思いもよらぬ方向へ流れた。
「んもー。」
独り言である。酷い雨に対する文句である。雨なんて大嫌い、少なくともAは幼い頃からそう思ってきたし、Aの母も洗濯物が乾かないから雨が嫌いと言った。雨が好きな人なんてきっと少数派だ。
こんな日は電車も遅延する。雨は明け方から降っていたようで、一部区間で減速対応し全体で30分の遅れが出ていると、テレビのテロップを出かけに見た。
女子高生の朝の30分は貴重である。睡眠だって大事だし、身だしなみだって整えたい。それなのに電車の遅延を見越して家を早く出るのだ。苛立ちは募る一方だった。
駅の改札につながる通路の屋根があるところまで来るとAは傘を閉じて雨を落とした。豪雨では傘は意味を成さなかった。
眉間に皺を寄せて朝だというのに薄暗い空を見上げた。大粒の雨粒が無数に落ちて、水溜りを大きくしていった。
「さいあく。」
独り言である。
髪を含む上半身はまだよかった。しかしスカートは下半分、色が変わるほど雨に濡れていて、靴下もローファーもぐっしょりとしていた。
朝スクールバッグに入れたフェイスタオルを取り出しスカートと太腿を拭いた。
ふと横を見ると煙草を吸う男性が嬉しそうに空を見上げていた。Aの視線に気づいたその黒髪の男性は柔らかく笑った。
「雨っていいよね。」
こんなに雨に苛立っている時に少数派に出会ってしまうとは。Aはおそらく分かり合えないであろうその男性を無視して改札へ走った。
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黒尾(プロフ) - 蒼凰さん» ありがとうございます。楽しんでいただけるようなお話考えていきますのでこれからもよろしくお願いします。 (2019年6月24日 21時) (
レス) id: 68c099bb5b (このIDを非表示/違反報告)
蒼凰 - 初コメント失礼します！この小説、とても好きです！これからも楽しみにしてます！体に気をつけて頑張ってください！ (2019年6月24日 19時) (レス) id: d530b8b740 (このIDを非表示/違反報告)
暖 - 対応ありがとうございます＜(_ _)＞楽しみにしてます！ (2019年6月19日 23時) (レス) id: 3edb6afb17 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾(プロフ) - 暖さん» ご意見ありがとうございます。本当ですね。只今調整いたしました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 (2019年6月17日 23時) (レス) id: 68c099bb5b (このIDを非表示/違反報告)
暖 - コメント失礼します！小説読ませて頂いてます！意見なんですが、途中から名前が変換できていないと思うんですが、、(主人公)違ったらごめんなさい＜(_ _)＞ (2019年6月17日 23時) (レス) id: 3edb6afb17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒尾 | 作成日時：2019年6月17日 0時
