前世は刀剣、今世は怠惰の主人（２） (ページ9)

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願いページ9

～Aside～

結局、あのあともう時間が遅いと言う理由で、床につくことになりました。

ちなみにクロは、

『いくら猫の姿でも女性と一緒に寝るのは許されませんよ。』

といういい笑顔のリリイに止められて、強制的に別の部屋になりました。

………別に気にはしないのですが。

………そういえば、リリイの下位は幼い子がほとんどですが、いったい何故なのでしょうか？

A「リリイ、少し聞きたいことがあるんですが。」
リリ「なんですか？Aさん。」
A「リリイの下位は、何故幼い子ばかりなんですか？」
リリ「………あの子達はもともと虐待などで周りから愛されなかった子達なんです。大体の子は保護しましたが、間に合わず下位にした子もいます。」
A「………すみません。」

あまり聞くべき内容ではありませんね。

リリ「いえ………私も先程、不躾にAさんの言いたくないことを聞いてしまいましたから。………人間が嫌いなのは幼少期が原因ですか？」
A「………知っていたんですか？」
リリ「なんとなくですが。私や御園やクロに対しては表情が緩んでいるときがありますが、それ以外ではどこか刺々しい雰囲気がありまして。」
A「一応隠していたんですが、やっぱり気づかれましたか。………大嫌いですよ、人間なんて。でも、おじや幼馴染みや御園を含めた友人たちは好きですよ。」
リリ「そうですか。」

リリイは優しげに微笑んでいます。
ですが、それも一瞬で悲しげな表情になりなした。

リリ「失礼を承知で聞きますが………Aさんは生きたいという意欲がないんですか？」
A「………何でそう思うんですか？」
リリ「椿と対峙したとき、刀でクロを守り、椿に反撃を仕掛けようとしていました。でもどこか捨て身なところもありました。」

まあ、実際に自身よりクロの方が優先でしたからね。

A「………私には願いがあるんです。」
リリ「願い………ですか？」

リリイは、面を食らったような顔をしています。

A「私の願いは戦って死ぬことです。」
リリ「っ！」

戦場で死ぬ。
それは元刀剣女子である私の悲願でもありました。

A「私は母の幸せを壊しました。」

元々は父親がいたのかもしれない。
もしかしたら私が原因でいなくなったのかもしれない。

それに長谷部にばかり任せて、私は援護ばかりで主の首を斬ることもしなかった。

その結果、あまり穢れがなかった長谷部に一気に穢れが襲いかかった。

A「私は母を周りから孤立させました。」

私なんかを産んだせいで。