1話らしきもの ページ3
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とある街の暗い路地裏で途轍もない銃声が聞こえた。
その街の名は「ヨコハマ」。
朝を特務課、昼と夜の間を探偵社、夜をポートマフィアが仕切る
魔都・ヨコハマである。
その中の黒い組織、ポートマフィア…簡単に言えば、
裏社会に所属している下っ端が私、
飛美である。
下級構成員である私は、任務として、
怪しい商売をやっていた社長の下のやつを一人ころしていた。
銃声は私のものだ。
醜い悲鳴と共にその男は死んだ。
無残にも血を撒き散らしながら。
「…任務終了いたしました。目標は銃で肩を一発。
失血し、死に至りました。」
上の者へ報告を済ますと、
タオルで血を拭く。
するといつもの綺麗なスーツへ元通りだ。
そういえば、とある事を思い出す。
行く時に丁度良い川を見つけたのだ。
その川へ向かうと、
先客がいた。
ボロボロの服を着た少年と、
足だけ出ている、男性らしき人。
その男性らしき人は溺れていた。
私は少し離れたところから川へ入る。
何故か?
これは趣味だからだ。
そんなことを考えている間に、
私の意識は失われた。
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次に起きた場所はゴツゴツとした地面だった。
「大丈夫ですか?」という少年の声が聞こえた。
「大丈夫です。」
私は起きてそう答えた。
もちろん無表情である。
その時、少年の隣にいる同じくびしょ濡れの男性が私に言った。
「ああなんて素敵な女性だ。
私とどうか、心中を。」
入水の趣味はあるが、あいにく
心中やじさつの趣味はない。
というわけで断った。
だが、何故だろうか。
この男にものすごく既視感を感じるのだ。
その何故という言葉は、泡になって消えていった────。
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ラムネ瓶の中のビー玉 - 1話投稿しました。良ければ見てください (2月21日 12時) (レス) id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
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