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親友の恋愛事情 ページ26

かつて男を好きになるという事に偏見を持っていた俺。
まさか自分が男を好きになるとは思っていなかった。

人生何があるか分からないものだ、と改めて思った。
今、隣にいる親友の朔間、俺はこいつが好きなのだ。

「なに? 俺がイケメンだからってんな見詰めんなよ」

茶化したように笑い俺の頭を優しく撫でる此奴、優しい掌が胸を締め付けていく
ああ、好きだ、好きだ

その想いは多分、朔間よりも上回っているはずだ。

「別に、好きだなーって思って見てただけだっつの」

そんな想いは口に出さずに朔間の手を振り払い先へ先へと歩く俺、その背後で悶え苦しむように、あー、だの、うー、だの言っている彼を背中で感じる。

そんな姿に笑みが溢れた。
よく、俺の事を可愛いと言うけれど、俺からしたら朔間の方が可愛い。
これを本人に言えば多分此奴は拗ねるのだろうが。

そんな朔間の方向を振り向き、頭を撫でてみせると、朔間は突然に俺の手を掴みだした。

「……手とかまだ繋いでなかったよなー」

「あ? 人前でやんな」

「何、まだ気にしてんの?」

その手を掴みながらにぎにぎと俺の手を弄り出した朔間は拗ねたようにそう言う。

「……帰りなら、良いけど」

これ以上拗ねさせない為にも、少し朔間の手を握ってそう言ってやると

「Aっ!」

抱き着きそうな勢いで来るものだから避けてやった。
歩き始める俺の背後でイジケながら歩く朔間に、俺は笑いながら

「帰りなら、いつでも抱きついて来い」

俺は朔間に対して随分と甘くなった気がする。


**

親友であり恋人、そんな不思議な関係の俺達
周りの視線が気になりあまりくっつけないAと、周りの視線を気にしない俺。

相性は抜群では無いけれど、俺は此奴の事が好きだ。

多分出会った時から、一目惚れだったのだろう。
勢いで告白したあの日、戸惑った彼奴の顔が鮮明に思い出せる。
あの時はもう終わったと思った。

だけど今、こうやって隣に居られる事に幸せを感じながら1日を終えるのだ。

これが俺と親友の恋愛事情、加賀朔間と工藤Aの恋愛事情。




END

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ヒビキ(プロフ) - めっちゃ面白かったです!夢主君可愛かったですww今までにないストーリー構成でとても楽しめました!新作なのですが、男主のファンタジー学園もの(女の子との恋愛はなし)だと嬉しいです!新作の方も内容がなにであろうと楽しみにしております! (2017年8月10日 20時) (レス) id: b814e0d67a (このIDを非表示/違反報告)
ろでる(プロフ) - 主人公の心情が揺れ動く姿がとても丁寧で、最後の文を読み終わった時に思わず微笑んでしまいました。とても面白かったです。新作についてなのですが、男主でローファンタジーをリクエストします。新作も楽しみです! (2017年8月9日 20時) (レス) id: edada860be (このIDを非表示/違反報告)
春猫(*`´) - 面白かったです!更新 頑張ってくださいね! (2017年7月1日 10時) (レス) id: 980aa223ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドロー | 作成日時:2017年6月28日 10時

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