俺の嫉妬深かさ ページ17
「それで、先輩って……」
昨日のあの出来事から数時間が経った。
後輩の萩野秋、朔間に好意を寄せている男は、早朝から俺の元へとやってきて、また邪魔するなと言われるのかと思いきや
朔間の魅力について語り出した。
先輩って、先輩って
約5分ほど段々とその話を聞かされる。
うんざりとした俺の表情とは正反対に、目の前の後輩は楽しそうに笑って居た。
そんな顔されちゃ、聞かずにはいられなくなってしまう。
通学路を歩きながら、恋する乙女の顔で俺を見て話す此奴を邪険にはできない。
耳だけは此奴の言葉に傾けて、俺は眼に映る光景をキョロキョロと見渡していた。
正直話を聞く気なんて全くなく、何が好きで、自分が好きな男を好きな男の話を聞かにゃならんのだ。
「だから、俺、先輩の事が好きなんす」
たが、耳に入ってくる此奴の声色は幸せそうで、嫌でも耳に入ってくる。
何だか胸の奥がモヤモヤと渦巻いている感覚がして気持ちが悪い。
これは嫉妬か、嫉妬なのか
未だに話し続ける秋に徐々に腹が立ってきた俺は、ちょっとしたいたずらを秋に仕掛けた
「へいへい、あ、朔間」
「へ!? 何処!?」
「はっ、嘘だよバーカ」
案の定此奴の反応は想像していた通りの可愛さで、キョロキョロと周囲を見渡していた。
そんな姿に更に腹を立てた俺は、足早に歩き出す。
その背後で
「ちょっと、やめてくださいよ!」
そう言って慌てたように俺を追いかけて走ってくる秋に益々腹が立った。
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ヒビキ(プロフ) - めっちゃ面白かったです!夢主君可愛かったですww今までにないストーリー構成でとても楽しめました!新作なのですが、男主のファンタジー学園もの(女の子との恋愛はなし)だと嬉しいです!新作の方も内容がなにであろうと楽しみにしております! (2017年8月10日 20時) (レス) id: b814e0d67a (このIDを非表示/違反報告)
ろでる(プロフ) - 主人公の心情が揺れ動く姿がとても丁寧で、最後の文を読み終わった時に思わず微笑んでしまいました。とても面白かったです。新作についてなのですが、男主でローファンタジーをリクエストします。新作も楽しみです! (2017年8月9日 20時) (レス) id: edada860be (このIDを非表示/違反報告)
春猫(*`´) - 面白かったです!更新 頑張ってくださいね! (2017年7月1日 10時) (レス) id: 980aa223ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドロー | 作成日時:2017年6月28日 10時