肉食系 ページ11
目の前でポロポロと泣き出す彼女。
どうして良いのか分からなくオロオロと戸惑っていた時だった。
桜は突然俺の肩を掴み、言い出した。
「……一発殴って良いっすか」
目に涙を溜めたまま、俺を見て真剣な表情でそう言う桜
俺には拒否権なんてない。
「ああ、思う存分殴ってくれて構わない。」
「……じゃ、行くっすよ」
桜が殴りにかかる構えをしたので、俺はギュッと目を瞑り身構える。
例え吹き飛ぶくらいに殴られたとしても、文句は言わない、痛みに耐える。
「よし、来い」
風が優しく俺の頬を撫でる中で、どんな痛みが降ってくるのか。
想像しながら身構えていたのだが
数秒経っても痛みは降って来なかった。
不思議に思った俺は、うっすらと目を開けようとするが
「開けんな！」
桜は大声でそれを阻止した。
一体何だと言うのか、俺が再び目を瞑り身構えたその刹那
頬には痛みではなく、柔らかい何かの感覚が
俺は驚きで目を見開くと、桜が俺の頬に口付けをしていた。
「……」
頬から顔を離した桜は、呆然としている俺を見てニヤリと笑い
「最後の思い出っす、これくらいいいでしょ？」
人差し指を唇に当てながらそう言った。
「Aはさ、兄ちゃんの事が好きなんだろ？」
未だポカンとしている俺に、桜は唐突に言った。
俺はその言葉に過剰に反応し、桜から距離を取り大声で
「は！？ んな事ねえから！」
あまりにも明からさますぎる反応だったと思う。
こんなもの好きだと言っているようなものじゃないか
「私そう言うのに偏見持たないからさ、応援すっから、頑張れよな」
そんな俺を見てクスクスと笑いながら桜は俺の手を握り見詰める。
急に恥ずかしくなり、手を引っ込めるが桜はとてつもない力で俺の手を握るので
離れられない。
「え、えと……桜？」
不思議に思った俺は首を傾げながら彼女の名前を呼んだ。
「なあ、もっかいキスして良いっすか」
すると彼女は真剣な表情でそう言った、驚いた俺は少し身を仰け反り
「ふぁ！？ な、なな何だよ、何言ってんのお前！」
必死に手を振り払おうと試みる、が
無理だった。
桜は徐々に唇を近づけてくる、ドキドキと早まる心臓の鼓動
約1センチの距離まで詰めた時、俺はギュッと目を瞑った。
だが、唇の感覚の前に、顔を押さえられながら何故か後ろへ顔が傾けられる感覚
と、同時に彼奴の匂いと、唇に柔らかい物が当たる感覚
驚いて目を開くと、彼奴が居た
「桜、此奴は俺の物だから」
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ヒビキ(プロフ) - めっちゃ面白かったです！夢主君可愛かったですww今までにないストーリー構成でとても楽しめました！新作なのですが、男主のファンタジー学園もの（女の子との恋愛はなし）だと嬉しいです！新作の方も内容がなにであろうと楽しみにしております！ (2017年8月10日 20時) (
レス) id: b814e0d67a (このIDを非表示/違反報告)
ろでる(プロフ) - 主人公の心情が揺れ動く姿がとても丁寧で、最後の文を読み終わった時に思わず微笑んでしまいました。とても面白かったです。新作についてなのですが、男主でローファンタジーをリクエストします。新作も楽しみです！ (2017年8月9日 20時) (レス) id: edada860be (このIDを非表示/違反報告)
春猫(*`´) - 面白かったです!更新 頑張ってくださいね! (2017年7月1日 10時) (レス) id: 980aa223ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドロー | 作成日時：2017年6月28日 10時
