一番触れられたくない所 ページ9
(続)
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______
彼等が欲しいのは・・・ただ一つだけ。
「______
「そうだ。『異能開業許可証』をよこせ」
社長の目が鋭くなる。
だがそんな事は気にもしないのか、はたまた気付いてないのか、フィッツジェラルドさんは続ける。
この国で異能者の集まりが合法的に開業するには、秘密組織である内務省異能特務課が発行した許可証が必要であり、彼等だけは買収ができないと。
「連中を敵に回さず、大手を振ってこの街で『捜し物』をするには、その許可証が______」
「断る」
彼の言葉を、社長は私が聞いた限り一番低い声で遮った。
同時に、目も更に鋭くなった様に思える。
それでも諦めないのがやり手の営業者故なのか、フィッツジェラルドさんは自身が着けていた腕時計を外し、これもつけると笑顔で話し続ける。
それに等々______社長が��キレた��。
命が金で購えない様に、許可証と替え得る物など存在いない、と。
「頭に札束の詰まった成金が、易々と触れて良い代物では無い」
『社長・・・』
「『金で購えないものがある』か。貧乏人の決め台詞だな」
今までの営業スマイルは何処へやら、冷たい表情で彼はそう云った。
______ふと、私は思い出した。
彼のこの、「他人はどうでもいい」と物語る視線は、誰の為のものであったかを。
「だがいくら君が強がっても、社員が皆消えてしまっては会社は成りたたない。そうなってから意見を変えても遅いぞ」
「御忠告心に留めよう。帰し給え」
『ッ・・・あの！』
脅しともとれる言葉に、社長は動揺もせずすっと手を扉に向ける。
それに対し、フィッツジェラルドさんが立ち上がった所で、私は声を上げた。
��彼に、何か言葉をかけねば��
この先の未来を知っていたからかは、判らない。
だが、どうしてもフィッツジェラルドさんに何も云わず、帰す事が出来なかった。
「何だ、交渉はもう決裂したぞ？俺は忙しい______」
『捜し物がある、と仰っていましたね？』
ピクッと、ほんの一瞬だが、彼の表情が歪む。
・・・どうやら人間、一番触れられたくない所にはどんなに表情を作るのが上手くても、顔に出てしまうものらしい。
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ただの本好き(プロフ) - 番外編を作りました。宜しければリクエストご応募下さい！ (2019年2月18日 16時) (
レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 私は太宰さん！あと、ドストエフスキーさんとか、中也も大好き！賢い所とか強い所に惚れちゃったです(////∧////) (2018年12月5日 0時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» お返事遅くなって申し訳ございません・・・！そうですね、文ストのキャラは皆魅力的なのでとても迷いますが・・・選ぶなら新旧双黒ですね。あの四人のやり取りが面白くて好きです。Touaさんは？ (2018年12月4日 19時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - ただの本好きさん» 確かに、双黒の戦闘シーンとかは最高ですね！ただの本好きさんの推しは誰ですか？ (2018年12月3日 21時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» 私は全部好きです。アニメでは確かに漫画や小説ではある所が省略されてしまうけど、声があるし戦闘シーンでは絵や文章では味わえない迫力がありますから！ (2018年12月3日 20時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ただの本好き | 作成日時：2018年11月4日 14時
