始まりの会合 ページ5
(続)
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「同棲なんて聞いてませんよ!」
「部屋が足りなくてねぇ」
『・・・』
「お早うございます・・・って、どうしたんですか?」
爽やかな朝。
あれから私は何とか出社時刻に間に合った。
川村さんと探偵社に入れば、寮から走ってきたのか、息を切らして鏡花ちゃんと共にいる敦君と______
「やぁ、美月ちゃんお早う。・・・優花ちゃんも」
それを飄々と返していた、太宰さんが。
こっちは昨日の今日で気まずいってのに・・・何でそんな余裕あるんですか。
否、理由は判るけども。
『アハハ、お早うございまーす・・・。
あ、お早う敦君。鏡花ちゃんも』
「・・・お早う」
「二人共お早う。昨日はよく眠れた?」
「あっ、優花ちゃん、美月さん!聞いて下さい、実は・・・」
苦笑いを浮かべながらも、挨拶をして逃げる様に二人に話しかければ、敦君は少し慌てた様にさっきまでの話を語り出し、鏡花ちゃんはそう云った後、視線を話している二人に向ける。
見ていて微笑ましい、美少年と美少女と黒髪の美人の組み合わせだ。
目の保養・・・といけない、私は仕事仕事。
そう思い席に着けば、いつの間にか続く敦君と太宰さんの会話。
鏡花ちゃんには聞こえない様にしているのだろうが、此方には丸聞こえである。
「優花でしょ?鏡花ちゃんに私の名前教えたの」
唐突に聞こえた声に顔を上げれば、そこにはさっきまで敦君と話していた川村さんが。
『うん。そうだけど・・・どうして?』
そう云えば、「やっぱり」と川村さんは自分の机に着くと、パソコンを開いて微笑みながら、こう云った。
「さっきお礼を云われたの、名前で呼ばれてね。あの時探偵社にいた人の中で、何の警戒も無しに私の名前教えられるの、優花だけだから」
『あっ・・・そっか』
確かにあの時には、この先の展開を知っている私にしか出来ない事だ。
こういう事は最近、気をつける様にしてるんだけど(昨日の夜の事もあって)・・・どこから綻びが出るか判らないな。
『ご免・・・迷惑だった?』
私がそう云うと、川村さんは慌てて
「何云ってるの、全然そんな事ないよ?
寧ろあの時、私と鏡花ちゃんの話すきっかけを作ってくれて有難う」
パソコンから顔を上げ、彼女はそう私に笑いかけた。
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ただの本好き(プロフ) - 番外編を作りました。宜しければリクエストご応募下さい! (2019年2月18日 16時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 私は太宰さん!あと、ドストエフスキーさんとか、中也も大好き!賢い所とか強い所に惚れちゃったです(////∧////) (2018年12月5日 0時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» お返事遅くなって申し訳ございません・・・!そうですね、文ストのキャラは皆魅力的なのでとても迷いますが・・・選ぶなら新旧双黒ですね。あの四人のやり取りが面白くて好きです。Touaさんは? (2018年12月4日 19時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - ただの本好きさん» 確かに、双黒の戦闘シーンとかは最高ですね!ただの本好きさんの推しは誰ですか? (2018年12月3日 21時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» 私は全部好きです。アニメでは確かに漫画や小説ではある所が省略されてしまうけど、声があるし戦闘シーンでは絵や文章では味わえない迫力がありますから! (2018年12月3日 20時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただの本好き | 作成日時:2018年11月4日 14時