淑女と紅きマフィア ページ38
(続)
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「・・・直ぐに答えられぬのも無理はない。じゃが案ずるな、お主の本当の居場所はマフィアにある。異能目当ての屑共などわっちが微塵に切り裂いてくれる」
『______私は』
考えていた事が纏まったのか、暫くそうして閉じていた目を開き、優花が口を開いたその時。
「っマフィアがそれを云うか・・・!」
「敦君、まっ・・・!」
美月の制止する声を無視し、倒れていた敦が憎々しげにそう云って手足を虎化させて、紅葉に飛びかかったのだ。
だが、相手の力が判らないまま飛び込んで行くなど、無謀にも程がある。
_______彼はその瞬間、空中で斬りつけられた。
「遅いのう」
ゆらりと紅葉の後ろで揺れた敦を斬りつけた影。
和装にマント、仕込み杖を持つ異形、金色夜叉が現れたのだ。
夜叉は敦を薙ぎ払い、柱に彼を刺して縫い付ける。
「悪いのう童、これも仕事でな」
「やめて!」
『敦君!!って・・・川村さん?』
突然、叫ぼうとした二人の前に美月が現れ、紅葉から守るように自身の後ろに隠す。
「敦君を離して下さい。それと、先程から気になっていたのですが・・・」
驚く二人を他所に、彼女が怒っているのか、いつもより低い口調で喋り出した。
「この子は優花です。黒子なんて名前じゃありません」
そんな彼女に、紅葉は「ほう」と目を細め視線を向けた。
「これまた美しい
「川村美月。三人と同じ、探偵社員です」
「わっちは尾崎紅葉。ポートマフィアの幹部をしている者じゃ。・・・して、美月とやら」
通常の雰囲気とはかなり離れた自己紹介をした後、紅葉は敦から離れて彼女と向き合う。
そよ風が吹く中、美月は先程と雰囲気が変わったのを感じ取り「何でしょう?」と唾を飲んで聞いた。
「組織が調べた限り、お主はその優花と同居しておる聞いたが・・・何も知らんのかえ?」
「・・・どういう意味でしょうか」
「これじゃ」
紅葉が懐から小さな紙を取り出して見せる。
そこには_______パンツスーツにグラサンをかけた、黒髪少女の写真が。
四人中、訳が判らない敦と鏡花は戸惑いの表情を見せるが、優花と美月は違った。
「______それは」
「これはつい最近、監視映像に映ったポートマフィアの通信保管所に侵入し、ある資料を盗んだ者じゃ。わっち等は『黒子』と呼んでおる」
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ただの本好き(プロフ) - 番外編を作りました。宜しければリクエストご応募下さい! (2019年2月18日 16時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 私は太宰さん!あと、ドストエフスキーさんとか、中也も大好き!賢い所とか強い所に惚れちゃったです(////∧////) (2018年12月5日 0時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» お返事遅くなって申し訳ございません・・・!そうですね、文ストのキャラは皆魅力的なのでとても迷いますが・・・選ぶなら新旧双黒ですね。あの四人のやり取りが面白くて好きです。Touaさんは? (2018年12月4日 19時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - ただの本好きさん» 確かに、双黒の戦闘シーンとかは最高ですね!ただの本好きさんの推しは誰ですか? (2018年12月3日 21時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» 私は全部好きです。アニメでは確かに漫画や小説ではある所が省略されてしまうけど、声があるし戦闘シーンでは絵や文章では味わえない迫力がありますから! (2018年12月3日 20時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただの本好き | 作成日時:2018年11月4日 14時