異空間からの解放 ページ20
(続)
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目の前の景色が変わる。
気付けば、辺りは空間に連れて来られる前に全員が居た、交差点のど真ん中。
敵の異能が解けたのだ。
周囲の人々は、何も無い場所から急に人が現れたのに驚きを隠せないらしく、騒がしい。
その中で、敦はこの事件の首謀者であるモンゴメリが蹲っているのを見つけた。
「・・・ごめん。若し・・・何か僕に」
似た境遇だった者同士、何か助けになりたいと思ったのだろう。
声をかけた彼だが、モンゴメリは涙を浮かべた目で睨み、走り去ってしまった。
そんな彼女の背を見る敦の肩に、優花は手を置き『・・・帰ろう』と促す。
「あああっ、エリスちゃん!」
それと同時に、白衣の男の声が響いた。
どうやら捜していた幼女、エリスと無事会えたらしい。
写真で見た通りの美しい金髪、青い目、薔薇のような色の服。
"相変わらずの幼女趣味、お疲れさまで〜す''
二人のやり取りを生温かい目で見ながら、優花はそう思った。
すると、パタパタと靴では出ない独特の足音が背後から耳に入る。
振り向くと、誰かが優花と敦に抱き着いた。
着物姿で、髪を花飾りで二つ結びにした少女、鏡花だ。
「迎えに来てくれたの?」
「二人共・・・心配した」
鏡花にそう云われた二人は、顔を見合わせ笑い合い、『「ありがとう」』と同時に口にした。
「それでは、私達は失礼するよ」
エリスと手を繋いだ男が、和やかな雰囲気の三人にそう云った。
話を聞くに彼は元医者らしく、今は小さな寄合の仕切り屋をしているらしい。
『エリスちゃんを見つけられて、良かったですね』
「君達のお陰だよ、有難う。・・・二人共、どんな困難な戦局でも必ず、理論的な最適解は有る。混乱して
男がそう云い、去り際先程まで喋らなかったエリスが、パッと顔を明るくさせて優花の手を握る。
「貴女、『
突然の事に驚いた顔をする彼女に、エリスは美しい青い目をキラキラさせ、嬉しそうな顔でそう云った。
『黒子?』
「家の監視カメラに映ってた女の子の事よ。
髪も目も黒くて、着ていた服も黒かったから『黒子』って呼んでるの!」
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隣の敦が不思議そうな顔をするなか、優花は大きく目を見開いた。
消えた白衣の男と幼女→←たえまなく過去へ押し戻されながら 七
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ただの本好き(プロフ) - 番外編を作りました。宜しければリクエストご応募下さい! (2019年2月18日 16時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 私は太宰さん!あと、ドストエフスキーさんとか、中也も大好き!賢い所とか強い所に惚れちゃったです(////∧////) (2018年12月5日 0時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» お返事遅くなって申し訳ございません・・・!そうですね、文ストのキャラは皆魅力的なのでとても迷いますが・・・選ぶなら新旧双黒ですね。あの四人のやり取りが面白くて好きです。Touaさんは? (2018年12月4日 19時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - ただの本好きさん» 確かに、双黒の戦闘シーンとかは最高ですね!ただの本好きさんの推しは誰ですか? (2018年12月3日 21時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» 私は全部好きです。アニメでは確かに漫画や小説ではある所が省略されてしまうけど、声があるし戦闘シーンでは絵や文章では味わえない迫力がありますから! (2018年12月3日 20時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただの本好き | 作成日時:2018年11月4日 14時