たえまなく過去へ押し戻されながら 六 ページ18
(続)
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「あら、大事な鍵をこんな風に扱って。
孤児院の先生に叱られるわ」
モンゴメリはそう云って、敦が投げたモノを拾う。
ケタケタと笑うそれは最早、鍵というより生き物に近かった。
最初から______勝つ方法など無かった。
「どうしたの?お遊戯はこれからが本番よ!貴方は
『・・・っ』
その頃、打つ手も無いまま逃げ回る敦を見ながら、優花は今すぐ飛び出して助けだしたい気持ちと、この世界の流れを変えてはいけないという気持ちに葛藤していた。
拳を握り締め、自分が置かれている状況と合わせ、
どうこの戦いに参戦するか。
必死になって思案する中「君、」と呼ばれ彼女の肩に手が置かれた。
驚いて振り向くと、そこには優花が護衛している白衣の男が。
『ど、どうしました?』
「いやね、横から見て余りにも思いつめたような表情だったから、少し気になってね。
えっと・・・」
『あ、柳です。柳優花』
優花がそう名乗れば、男は顎に指を乗せ暫し思案した後「柳君」と呼んでこう云った。
「君が今悩んでいる事は、私には判らない。
だが・・・彼の力になりたいと思っているのなら、
実行すべきだと思うよ」
『え・・・』
男がそう云い去って行って直ぐ、異変が起きる。
「駄目だよ少年、敵はあっちだ」
敦がこの部屋から出ようとしたのだ。
だが、彼は自身に絡みついていた
「この場合での逃亡はお勧めしない。
その・・・高が街医者の言葉を信じて貰えるならばだが」
彼は云った。
モンゴメリの言葉を信じるなら、ドアから逃げれば敦は記憶を失い、敵の手管も捕らえられた仲間の危機も忘れ、敵は進撃を続けると。
「でも方法が」
「絶対に敗けぬと高を括る敵ほど容易い相手はないよ。抑も_______先程聞いた所ではあの
敦は大きく目を見開き、仲間が囚われている部屋のドアを見た。
次に優花も。
目が合うと、彼女は笑いかけ『大丈夫』と云った。
『敦君なら出来るよ』
「・・・うん、有難う」
そうして男から先程の飾帯を受け取り、彼は前線に
戻る。
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ただの本好き(プロフ) - 番外編を作りました。宜しければリクエストご応募下さい! (2019年2月18日 16時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 私は太宰さん!あと、ドストエフスキーさんとか、中也も大好き!賢い所とか強い所に惚れちゃったです(////∧////) (2018年12月5日 0時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» お返事遅くなって申し訳ございません・・・!そうですね、文ストのキャラは皆魅力的なのでとても迷いますが・・・選ぶなら新旧双黒ですね。あの四人のやり取りが面白くて好きです。Touaさんは? (2018年12月4日 19時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - ただの本好きさん» 確かに、双黒の戦闘シーンとかは最高ですね!ただの本好きさんの推しは誰ですか? (2018年12月3日 21時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» 私は全部好きです。アニメでは確かに漫画や小説ではある所が省略されてしまうけど、声があるし戦闘シーンでは絵や文章では味わえない迫力がありますから! (2018年12月3日 20時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただの本好き | 作成日時:2018年11月4日 14時