たえまなく過去へ押し戻されながら ページ13
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「あんなにピリピリした探偵社は初めてね」
美月が外に出て、数十分後。
国木田達に報告を終え、当然説教を貰った(特に優花)谷崎達は、賢治の捜索に乗り出していた。
『まぁ、私が勝手に川村さんを単独行動にさせたのもあるよね・・・あ』
「どうしたの?」
国木田の怒り顔を思い浮かべ、苦笑いをしていた優花がふと、声を上げた。
隣を歩いていた敦がそれに気付く。
______もしや、賢治君を見つけた?
だが、彼のそんな
『ごめんごめん。なんか知ってる人かな、と思ったけど、違った』
「そ、そっか・・・」
彼女の言葉に、敦は残念そうな気持ちでそう呟く。
そんな時だった。
「ナオミ、矢ッ張り社に戻るンだ」
赤信号が青になるのを待つ間、谷崎がナオミに向けて云った。
「嫌よ、ナオミも捜索を手伝うわ。こんな時に兄様と離れたくない」
「危険過ぎる!」
「危険は社も同じよ、建物ごと消されるわ。
ねぇ敦さん優花さん、そうでしょ?」
「え!?そ・・・それは、まぁ」
『確かにそうですね』
自分に聞かれるとは思わず、焦って曖昧な返事をする敦とは反対に、しっかりと頷く優花。
「敦君、優花ちゃん。君達と違って妹には異能が無いんだ、足を引ッ張る」
「何よ兄様、ナオミの云う事は何でも聞くと云ったじゃない」
「き、昨日の夜のアレはお前が無理矢理・・・!」
そこまで云った時、谷崎は自分が何を云いかけたか
気付いた様で、「・・・何でもありません」と顔を
赤らめた。
それを見るナオミはドヤ顔。
敦は何の事か判らない、というように首を傾げ、
優花は『谷崎さんの負けだな、これは』と心の中で呟く。
その時、信号が青になる。
「と・・・兎に角!事務員は社に戻るンだ!」
自身の恥ずかしさを紛らわす様に、谷崎は駆け出す。
「あらあら、何なら昨日の懇願を思い出させてあ」
________声が、途切れた。
多くの人々が行き交う交差点で、谷崎・敦・優花が
一斉に目を見張る。
ナオミが______消えた。
「・・・ナオミ?」
「・・・真逆」
敦がそう云った瞬間、「ナオミッ!?」と谷崎が弾かれた様に走り出した。
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ただの本好き(プロフ) - 番外編を作りました。宜しければリクエストご応募下さい! (2019年2月18日 16時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 私は太宰さん!あと、ドストエフスキーさんとか、中也も大好き!賢い所とか強い所に惚れちゃったです(////∧////) (2018年12月5日 0時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» お返事遅くなって申し訳ございません・・・!そうですね、文ストのキャラは皆魅力的なのでとても迷いますが・・・選ぶなら新旧双黒ですね。あの四人のやり取りが面白くて好きです。Touaさんは? (2018年12月4日 19時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - ただの本好きさん» 確かに、双黒の戦闘シーンとかは最高ですね!ただの本好きさんの推しは誰ですか? (2018年12月3日 21時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» 私は全部好きです。アニメでは確かに漫画や小説ではある所が省略されてしまうけど、声があるし戦闘シーンでは絵や文章では味わえない迫力がありますから! (2018年12月3日 20時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただの本好き | 作成日時:2018年11月4日 14時