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三話 ページ4

男の話ではこの世には「呪霊」と呼ばれる化け物がおり、しかしそいつらを生み出したのは紛れもない人間で人を襲ったり、呪ったりして生きているのだという。圧倒的な力の前に人間は何度も倒れ、蹂躙されてきた。しかし、人間は負け続ける未来を大人しく受け入れはしなかった。

 そんな呪霊と対抗する組織、その名も呪術師。しかし、誰もがこの呪術師になれるわけでもなく視えていることが条件らしい。なんで普通に暮らしたかっただけなのに要らない転生特典なの付けてるんだよ神様と、内心神様を恨む。


 男はかつて鬼殺隊で「特級呪術師」と呼ばれる役職を務めていたそうだ。簡単に言うと呪術師でもめっちゃ強くて地位も高いらしい。すげーや、この人。

 結局、俺が呪霊の動きを止められた理由はわからなかったが俺の腕を見込んだ師範に半ば無理矢理弟子入りさせられた。
 いや、待てよ。もしかしなくてもここ「呪い回線」みたいなマンガの世界じゃね?そう思ったのが男の家に住み込みの修行をしている真っ只中のことだった。

 こういう転生的な感じはあれではないのか?生まれ変わったら最強みたいな。フィジカルゴリラになっていたみたいな、もしかしてアニメみたいに手から炎とか、いざという時に身体のいたるところから武器が出てきたりとか。
 もしや、俺にもそんな超人的な能力がついて、さっきの呪霊を倒すことが出来たのではないか、と。


「ハッ!!」



 両手を前に押し出し、覇気をこめて力を指先に集中するが、いくら経ってもビームとか炎、武器は出てこない。次第に自分がやっていることに対しての恥ずかしさが込み上げてくるばかりだ。その現場を目撃した男には「遂に頭が……」と心底残念なものを見る目で見られた上に哀れまれた。笑うなら笑え!ほら、笑えよ!だってしょうがねぇだろ!超人的な力や知能は誰もが憧れるものだろうッ!
 

 結論、転生特典なんてものはありませんでした! ありがとうございました! 来世に期待!


 いや、そんなこといっても身体能力は思いのほかよかったし、頭の回転もすこぶるいい。前世の記憶が戻ったおかげで精神的にも強くなった。でも、ずば抜けてめちゃくちゃすごいわけじゃなかったのだ。


 男から聞いた話だと、この世はザ弱肉強食の世界らしい。強さこそ全て。強くなければあるのは死のみ。なんとまぁ、物騒な世界にとばされたものである。
 その点、元特級呪術師の男に出会えた俺ってすごくね?幸運極めてる。

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海月 - とても面白かったです、更新頑張って下さい! (2021年10月21日 9時) (レス) @page10 id: f400237f3c (このIDを非表示/違反報告)
- 面白くて一気に見ちゃいました!更新頑張ってください (2021年10月3日 22時) (レス) @page1 id: 7e4922104a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:怪獣 | 作成日時:2021年9月26日 15時

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