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「......えーっと、ね。落ち着いた?みんな」
五条先生、ごめんなさい。
大好きな生徒との対立を生んでしまって。
そんなに苦しそうな顔をしないでください。ごめんなさい。
「仕切り直して、ささ!もう一回自己紹介どうぞ」
もう、無理だよ......
『......工藤 Aです。不束者ではございますが、』
『同級の仲間に入れていただけると幸いです』
声が震えていた。
精一杯へりくだって、謙遜して、それでもやっぱり、第一印象は大事って話で。
「......うん!それじゃ、よろしく〜」
お腹が痛い。胃なんて、どこにあるか分からないけど、きっとコレが「胃が痛む」ってヤツなんだろう。
キリキリ、としか言いようがない、ストレス性の腹痛。
「.......そこ、座って!」
五条先生に勧められたのは、一番窓側の席。
同級生の二人は大きく目を見開いてから、嫌悪感を露わにした。
「___そこは、虎杖の席よ......っ」
”アンタが座っていい所じゃない”
小さく呟かれたその言葉が、どうしようもない程に胸を締め付ける。
僕が席に着くと、隣の少年が自分の席を動かし距離を取った。
______あぁ、痛い
「Aは呪術師始めたばっかりだから、四級からスタートね」
『、はい』
”四級呪術師”......五条先生はこの呼び名を”カモフラージュ”だと言った。
僕はあの事件以来、呪霊を寄せ集める体質になってしまったらしい。
故に、始めは保護対象となるはずだった。
_____が、呪霊を寄せ集めるというのは危険である為、”上層部”とやらに殺されるかも知れないというのだ。
”殺される”
その言葉が重くのしかかる。
ついこの間まで、ただの一般人だったのに。”死”に近しい存在では無かったのに......そう考えてハッとする。
いや、違う。
______僕は、死刑囚だったな
僕は、助けてもらったのだ。
その上、殺したいほどの人間に衣食住を提供してくれるという。
まずこの状況を受け止めなければならない。
そして、上層部に殺される不安を抱きながらも、何より一番気にすべきは、そう
「行きましょ伏黒」
「......あぁ、クズには近寄りたくねぇ」
......わかってる。僕に信用がないこと。
そしてその信用は、簡単に得られる物ではないこと。
辛い。
誰かに敵意を向けられるって、こんなにも恐ろしいものなのか。
『......独りになりたい』
切実な願いだった。
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國廣 - ありさんさん» 返信できました!助かりました笑!!大好きだなんてそんな、嬉しいじゃないですかー!!面白いって言っていただけてやる気出ました!ありがとうございます!!! (3月26日 1時) (レス) id: f6d4302edd (このIDを非表示/違反報告)
國廣 - 炭治郎の爪になりたいさん» すいませんめっちゃスランプでしたー!!今までの分取り返せるよう頑張りたいです!!それとヒロアカの方も!?本当嬉しい、ありがとうございます!!! (3月26日 1時) (レス) @page20 id: f6d4302edd (このIDを非表示/違反報告)
ありさん - すっごく面白いです!!!あなたの描くお話が本当に大好きです!!!いつも面白い作品を描いてくださってありがとうございます!!!それと、返信はコメントの後ろに書かれたレスという青文字を押すとできますよ!! (3月20日 17時) (レス) @page15 id: 3426d1a1ea (このIDを非表示/違反報告)
炭治郎の爪になりたい(プロフ) - とてもいい所で止まっていて続きが気になります!ヒロアカの方も読ませていただいてます🙇🏻♀️更新頑張ってください! (3月15日 2時) (レス) @page20 id: 31c5d01b1e (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください٩(^‿^)۶ (1月6日 15時) (レス) @page16 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:國廣 | 作成日時:2023年8月18日 0時