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「東京都立呪術高等専門学校、通称”呪術高専”」
『高校...』
無駄に長い漢字列。その中に含まれる一言。
”高校”
もう僕には縁がないと思っていた言葉だった。
「あれ。食いつくところ、そこ?」
『高校には、通えてないので...』
一瞬感じたぴりりとした空気には、気のせいだ、と無視をする。
「普通みんな”呪術”ってとこ気になると思うんだけどなーっ」
『......呪術って、なんですか』
「呪いを祓う技、かな」自分で問いかけてきたくせに、ふわりと交わされた。
『...呪いってなんですか』
「知りたい?」まただ。なんか掴めない人だな。”五条センセイ”って。
言葉を待つ。
五条悟は、うーん...と考える仕草をしてから指を鳴らした。
「お化けだよ」
『!』
「あははやっぱり!君こういう話苦手そうな顔してるもーん!」
『......』
なんなんだこの人。
___________
サイドテーブルからみかんを取り出し、白皮を剥きながら五条悟は話を進める。
「A、君さ。みえるでしょ”呪霊”」
『......コレ、ですか?』
僕は自分の肩を指差す。得体の知れない生物を触れるほどの勇気はなかった。
「そうそれ!」
今、僕の背後には”ジュレイ”がいる。もう3日間ずっと。
あの事件の日から。
「生まれつきって訳ではなさそうだね。やっぱり、あの日から?」
『はい』
少年院で”ジュレイ”と遭遇したあの日から、僕の目には化け物が映る。
「いーち、にー、さーん、しー、うん。ざっと10匹!」
『そんなに?』
「でも雑魚ばっか。まあ危険はない」
『でも、不気味です。』
彼はやっとみかんを口に含んで小さく呟いた。
「いいね、腐ってない」
『え?』
「みかんも、君も」
何だかよく分からないことを言われた、と少し困惑する。
魚の小骨が喉につっかえて取れないような感じだ。
「まったくモテモテだね、ムカつくー」
『はい?』
つくづく読めない人だ...
「で、どうする?高専来ちゃう?それとも死刑?」
やっぱり、他人の神経を逆撫でするような言い方をしてくる。
そんなの
『当たり前です___』
『___だって僕は、死にたくない』
五条悟の口角が、面白いもの見つけた子供のように、ニッと上がる。
「いいね!生命力ありそうで。うん、合格でっす」
『よし...』
「ちなみに1年は君で...”3人目”だよ」
『少なっ......』
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國廣 - ありさんさん» 返信できました!助かりました笑!!大好きだなんてそんな、嬉しいじゃないですかー!!面白いって言っていただけてやる気出ました!ありがとうございます!!! (3月26日 1時) (レス) id: f6d4302edd (このIDを非表示/違反報告)
國廣 - 炭治郎の爪になりたいさん» すいませんめっちゃスランプでしたー!!今までの分取り返せるよう頑張りたいです!!それとヒロアカの方も!?本当嬉しい、ありがとうございます!!! (3月26日 1時) (レス) @page20 id: f6d4302edd (このIDを非表示/違反報告)
ありさん - すっごく面白いです!!!あなたの描くお話が本当に大好きです!!!いつも面白い作品を描いてくださってありがとうございます!!!それと、返信はコメントの後ろに書かれたレスという青文字を押すとできますよ!! (3月20日 17時) (レス) @page15 id: 3426d1a1ea (このIDを非表示/違反報告)
炭治郎の爪になりたい(プロフ) - とてもいい所で止まっていて続きが気になります!ヒロアカの方も読ませていただいてます🙇🏻♀️更新頑張ってください! (3月15日 2時) (レス) @page20 id: 31c5d01b1e (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください٩(^‿^)۶ (1月6日 15時) (レス) @page16 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:國廣 | 作成日時:2023年8月18日 0時