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楽厳寺学長に話を通してもらい、歌姫先生を連れて僕はある場所に向かった。
「それで?工藤くん、話を聞かせてちょうだい」
『はい』
走りながら説明をする。もう話すことは整理できている、大丈夫......
『これは全て僕の憶測、それ以上でもそれ以下でもありません。ですので、可能性の一つとして捉えて頂きたいです』
「......了解したわ」
『僕はあの男が帳を降ろすのをその場で見ました。そして後を追うと、偶然先生方に出会ったんです』
「そうね......で、あの嘘はなんだったの?五条が来ないとかって」
『アレは、あの男を逃さないためです』
『彼は五条先生に執着していたように思います。ですがあの場に五条先生はいなかった』
「ええ」
『もしも彼が五条先生の元へ向かうようなことになると、まずいじゃないですか。遭遇した生徒と交戦してしまうかもしれないし......まぁあれは僕の語彙力にも問題が』
「ふふ大丈夫よ。焦る気持ちもわかるわ。そうね....確かに。生徒の方へ向かうのは嫌ね」
『だったらその場で倒してしまった方がいい。それができるんですよね?楽厳寺学長には』
「そう。それが聞きたかったのよ!あなたは学長の強さや術式を知らないはずでしょう?なのにどうして学長に任せる判断をしたの?」
『五条先生と歌姫先生と楽厳寺学長が一緒にいたことには気づきました。
でも僕がついた時に五条先生はいなかった......
それは五条先生が何かしらの動けない状況、今回の帳のように、五条先生の行動が制限されているのではないかと考えたんです』
『そして、あの呪詛師が居ながら、五条先生は歌姫先生と楽厳寺学長を置いて別のどこかに向かった。それはお二人が強い、またはどちらかの戦闘力が高いため、五条先生はその場を”任せた”んじゃないかなと思って』
「......すごい」
『そして、呪詛師の男の発言からも、この襲撃を指示している黒幕が、どこかにいるはずなんです。見たところ、もう既にあちこちで煙や砂埃が上がっていますし、生徒の皆さんも交戦しているみたいです。だから、敵は一人じゃない』
「つまり!バラバラに行動するにしても、うまく統率が取れないから、計画を企てた一人がいるってわけね!」
『はい!でも頭はそんなに冴える奴じゃないみたいですよ.....』
「そうなの?」
『だって......バレバレですから』
僕は曲がり角の先にいるはずの男の気配を捉えて、口角を上げた。
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國廣 - ありさんさん» 返信できました!助かりました笑!!大好きだなんてそんな、嬉しいじゃないですかー!!面白いって言っていただけてやる気出ました!ありがとうございます!!! (3月26日 1時) (レス) id: f6d4302edd (このIDを非表示/違反報告)
國廣 - 炭治郎の爪になりたいさん» すいませんめっちゃスランプでしたー!!今までの分取り返せるよう頑張りたいです!!それとヒロアカの方も!?本当嬉しい、ありがとうございます!!! (3月26日 1時) (レス) @page20 id: f6d4302edd (このIDを非表示/違反報告)
ありさん - すっごく面白いです!!!あなたの描くお話が本当に大好きです!!!いつも面白い作品を描いてくださってありがとうございます!!!それと、返信はコメントの後ろに書かれたレスという青文字を押すとできますよ!! (3月20日 17時) (レス) @page15 id: 3426d1a1ea (このIDを非表示/違反報告)
炭治郎の爪になりたい(プロフ) - とてもいい所で止まっていて続きが気になります!ヒロアカの方も読ませていただいてます🙇🏻♀️更新頑張ってください! (3月15日 2時) (レス) @page20 id: 31c5d01b1e (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください٩(^‿^)۶ (1月6日 15時) (レス) @page16 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:國廣 | 作成日時:2023年8月18日 0時