ルネッサーンス ページ16
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その夜
遊佐浩二は泥酔していた。
遊)「あー…どうしよどうしよ、僕Aに嫌われたかな、A泣きそうだったよね、あぁーもー、あれだよね、うん、あれ」
安元)「Aくんが遊佐さんのこと嫌いになるわけないじゃないですか」
そしてその遊佐に付き合うのはいつもの様に安元洋貴。何があったかは詳しく知らないが、取り敢えず"やっちまった"らしい。
遊)「え〜でもちゅーぐらいさぁ、させてよねー、てか未遂だったしさぁー、A寝てたんだから僕が言わなきゃ知らなかった訳だしーだって可愛いじゃんー」
安)「ほんとにやっちまったな!!」
とんでもねぇパパ野郎だ、と思いながら安元もグッとグラスを煽る。
遊)「ほんとさぁ、」
カランッと氷とグラスがぶつかる音がして。遊佐はそのグラスに入った氷を目にしながらもどこか遠くを見つめていた。
遊)「あいつの若い頃を僕は知ってるわけだけど、あいつの全部を知ってるわけではないし」
安)「はぁ…」
遊)「だから僕があいつに何か説教できる立場にいるわけじゃないんだけど」
安)「そうですね」
遊)「なーんであいつはあんなにも回りの目が気になるかねぇ…」
と言って一気にグラスを空にする遊佐を目の端にしながら安元もAのことを思い出す。
笑顔で、バカで、弄られてて、時々素っ気なかったり、ヘタレで、びびりで…
安元自身、様々なAを見てきた。
そんなAはいつもどこか遠慮しているところがあって。それを遊佐はよく知っているから些細なことで怒ってしまったのだろう。俺達はAに全力で向かって来て欲しいのに。
遊)「僕らはそんなに頼りないかなぁ…とか、思っちゃうよねぇ」
安)「……焦っちゃダメなんじゃないっすかね」
もっと時間をかけて、お互いを知っていけばきっといつか正面からぶつかってきてくれる。だから今はあいつを待つしかないんじゃないか。
遊)「……」
返答のない遊佐を不審に思い安元が横を向くと
遊)「…んー…」
安)「やっぱり寝るのねこの人!!」
テーブルに突っ伏し眠る遊佐を呆れたように見つめた後、安元はふっと笑みを浮かべた
安)「すみませーん、先お会計お願いしまーす」
男ってやつは、いくつになっても女に振り回されてばかりか…
寝息を立てる遊佐に、小さな声でそっと呟いた
「男の不甲斐なさに、乾杯」
今日は俺の奢りです。
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gtuysut5843…(プロフ) - 私も津田さん大好きです(( (2022年7月20日 19時) (レス) id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
あやの♪(プロフ) - いえいえ!参考になったならよかったです!更新頑張ってください(*^^) (2017年1月17日 22時) (レス) id: ece222c786 (このIDを非表示/違反報告)
もんぷち(プロフ) - あやの♪さん» そ、そうなんですか!教えてくださってありがとうございます!修正いたしました! (2017年1月16日 22時) (レス) id: 16d78e2194 (このIDを非表示/違反報告)
あやの♪(プロフ) - 初めまして!面白くて、1から読ませてもらっています!ひとつ思ったことがあるのですが、うぃんぐは、はなかっぱに出演したことありますよ!一つ気になったので、ご報告させていただきました(*^^*) (2017年1月16日 18時) (レス) id: ece222c786 (このIDを非表示/違反報告)
もんぷち - 朝乃さん» 穴澤ちゃんのセンスはきっと彼女にしか理解出来ない部分があると思いますよ(笑)因みに馬を描いてネッシーだ、と言われたのは私の実話なんですけどね(笑) (2017年1月5日 14時) (レス) id: 16d78e2194 (このIDを非表示/違反報告)
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