愛を知らない君へ【EXILETRIBE】

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直人said





何故、ＨＩＲＯさんと出会ったのか

過去に何があったのか

どうして俺らにその役割が回ってきたのか






聞きたいことが沢山ある。



それは皆も同じようで、全員の視線が彼女に注ぎ込まれていた。







H「じゃあ、A。自己紹介を。」




「・・・Aです。」







心のこもっていない声で彼女はそう言うと、

俺らを一瞥して軽く会釈をしてみせた。









H「それで皆、頼まれてくれるか・・・？」









ＨＩＲＯさんのその問いかけに俺らは迷った。







恩師であるＨＩＲＯさんの頼みに答えたい。

けれど、この案件は俺らにとってメリットがない。





その二つの心が俺の中で戦っている。






ただ一つ、その心のどちらにも

属さない気持ちが心の中で芽生えていた。








ー彼女のことを、もっと知りたいー







彼女は何を思い、何を感じるのか。



普段では沸き上がらない好奇心が俺を満たしていった。








H「・・・じゃあ、頼まれてくれる奴。手を挙げてくれ。」







そっと右手を挙げる。



周りを見渡すと、ほぼ全員が手を挙げていた。








H「・・・決まりだな。皆、ありがとう。」






安堵したようにＨＩＲＯさんがそう言った。







H「A、」







そして、この時の俺らはまだ知らなかった。






「・・・よろしくお願いします。」







後に彼女の存在が俺らの中で

かけがえのないモノとなっていくことをーー






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