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開催されるのは3月15日
今日は2月8日だから残すところあと一か月ちょっと。
この方法が成功するか確かめるには
当日になるまでひたすら待つしかない。
少しの希望と明確な目的ができたからか
憂鬱な気持ちも少しは楽になって
北斗さんの厚意に甘え、お手伝いさんとして雇ってもらいながら
3月15日が来るのを静かに待った。
「広いから嫌になるかもしれないけど
全部と扉が閉まってるかちゃんと確認して
あ、火元とかも」
「わかってますってば。」
携帯も使えない、テレビも白黒で娯楽もない
そんなここでの生活は同じことの繰り返しで
それがかえって心地よかった。
しいて変わった事と言えば
北斗さんが好恵さんの家へ泊る日が増えた。
週一だったのが週三に増えて
私を牽制するような圧力も日に日に増しているような気がする。
「北斗くん気にしすぎ
Aちゃんの事子供みたいに思ってるのね。」
現に泊りの日は毎回北斗さんを屋敷まで迎えに来て
今みたいな皮肉ともとれる言葉を勝ち誇ったように浴びせてくる。
これがあの穏やかなおばあちゃんになるんだもんなと考えると
何だか恐ろしくて顔が引きつってしまう。
「忘れ物したからちょっと待ってて。」
女の陰湿な部分に男は鈍感だと言うけど
あながち間違いではないようで
北斗さんが部屋に忘れ物を取りに行ってしまったせいで
玄関で私と好恵さんの二人きりという
かなり気まずい状況が出来上がってしまった。
「Aちゃん、北斗くんの事好きでしょ。」
心臓が嫌な音を立てる。
俯いていた顔を上げて好恵さんを見ると
何処か余裕そうな視線を私に向けていた。
「報われない恋なんてすぐに捨てた方がいいよ。」
「自信があるですね。」
「まあ…ね。」
少し照れたように笑う好恵さんは儚くて
こういう所が好まれているんだろうなと胸が苦しくなる。
そんなに自信があるなら
なんで他に保険を掛けるようなことしてるんですか？
それとも北斗さんは遊びなんですか？
なんて、好恵さんの挑発に乗りそうになたけれど
ぐっとその言葉を飲み込んでこぶしを握り締めた。
「ごめんお待たせ、
…Aちゃん？」
好恵さんのこんな面を知らない北斗さんは
綺麗な瞳で私を覗き込んでくる。
このやり場のない感情を、私は処理しきれなくて
いつものぎこちない笑みを浮かべる事すらできなくなっていた。
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あかね(プロフ) - とっても面白かったです！良かったら解説お願いします！ (2022年1月31日 1時) (
レス) id: 608a572f89 (このIDを非表示/違反報告)
ぽめじろう(プロフ) - coccoさん» ありがとうございました！そうなんです、名前を変えて暫くはこちらでお世話になることになりました！また読んでいただけて嬉しいです！ (2021年12月27日 8時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぽめじろう(プロフ) - hohoさん» 読んでいただきありがとうございました。暫くはこちらのアカウントで書きますのでよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2021年12月27日 8時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぽめじろう(プロフ) - ハルさん» 初めまして！読んでいただきありがとうございました。楽しんでいただけて嬉しいです！ (2021年12月27日 8時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
cocco(プロフ) - 読み進めていくうちにどんどん引き込まれていく感じがぱぐたろう様に似てるな〜と思っていたらまさかのご本人様でした… ; ; ぱぐたろう様ロスだったので今作に出会えて嬉しいです。おかえりなさい！であってるかわかりませんが言わせてください！おかえりなさい！！！ (2021年12月25日 2時) (レス) @page42 id: 4774ec4c1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽめじろう | 作成日時：2021年12月21日 21時
