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油断大敵9(フョードル) ページ9

「・・・如何しました?」
ぼんやりと考え事をしていた私を、不思議そうにフョードルが見る。
「否、フョードルがそんな事言うなんて珍しいなぁって・・・」
録音しておけば良かったと、私は後になって少し後悔した。
「フフ、そうですねェ・・・」
肯定するかの様にフョードルは小さく笑う。そして________私を力強く、愛しげに抱き締めた。
朝から甘えん坊なのは、一体何方なのだろうか。艶があり、手触りの良いフョードルの髪の毛を撫でながら、私は微笑んだ。
_______嗚呼、こうしてフョードルの香りに包まれて過ごす穏やかな朝を、私がどれ程待ち望んでいた事か。
顔を上げて、フョードルの左頰にキスをする。フョードルはくすぐったそうに笑みを浮かべると、お返しだと言わんばかりに、私の唇を覆う様に口付けをした。
静かに瞳を閉じ、私はそれを受け入れる。とろけそうなくらい熱いキスを、何度も、何度も交わす。
次第に歯止めが利かなくなってきたのか、フョードルは私の舌に、己の舌を絡ませたまま私を押し倒してきた。
「・・・朝からするの?」
私の問いに、フョードルは火照った顔で上目遣いに言った。
「・・・駄目、ですか?」
私は慌てて首を横に振った。そんな顔をされてしまったら、誰も断れないだろう。
私の承諾を得たフョードルは、満足そうに口角を上げると、私の首筋に優しく歯を立てた。
何とも言えない痛みと快感が、私の身体に走る。こうして私の首筋に噛み跡を付けるのが、フョードルの一種の愛情表現だ。
前に一度だけ噛み跡の事を聞いた時、フョードルは「それは貴女が私のモノだと言う証拠ですよ」と悪戯っぽく微笑んで言っていた。

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テツ(プロフ) - 宵の明星さん» わざわざ見に来て下さって有難うございます・・・!これからも更新頑張ります! (2018年4月7日 17時) (レス) id: d776172fc0 (このIDを非表示/違反報告)
宵の明星 - Twitterを見て、此方へ来ました。薄々、思ってはいたのですが真逆のご本人だったとは……。別人だと思っていました。私も小説を書いているので、宜しければ見て下さい。更新、応援しております。 (2018年4月7日 16時) (レス) id: 960304c1ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テツ | 作成日時:2018年3月7日 0時

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