油断大敵8(フョードル) ページ8
その割には、あまり心配している様には見えなかったけれども。
「それにしても、何故、廊下で倒れていたんですか？」
フョードルは横になったまま、私の髪の毛をくるくると自分の指に巻き付け、弄りながら訊いてきた。
「んー？否、フョードルかゴーゴリに助けてもらおうかなと思って、部屋の外に出たのは良いんだけれど、目眩がしてさ・・・」
風邪ごときで倒れる己の貧弱さに、つくづく呆れてしまう。馬鹿は風邪を引かないとか何とかと言うのに・・・。
あははと苦笑する私に、フョードルは髪の毛を弄っていた手をピタリと止め、私の瞳を覗き込むかの様に、見つめた。
「・・・何故、選択肢にゴーゴリがあるんです？」
如何にも不服だと言わんばかりに、フョードルが僅かに眉をひそめたのが分かった。
若しかして、嫉妬しているのだろうか。あのフョードルが。人間は己が他人より優位な立場に立つと、意地悪をしたくなるモノらしい。
「・・・嫉妬してるの？」
思わずニヤリと笑みを浮かべて、私もフョードルを見つめて言った。
フョードルは一瞬、何かを考える様に弄んでいた私の髪の毛に視線を落とす。そして、数秒の沈黙の後、静かに口を開いた。
「・・・・・・そうかもしれませんね」
予想外の言葉に、私はパチパチと瞬きを繰り返した。そして、風邪による幻聴ではないかと己の耳を疑ってしまった。否、そうでないと有り得ない。そのくらい、今の言葉は珍しいモノだった。
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テツ(プロフ) - 宵の明星さん» わざわざ見に来て下さって有難うございます・・・！これからも更新頑張ります！ (2018年4月7日 17時) (
レス) id: d776172fc0 (このIDを非表示/違反報告)
宵の明星 - Twitterを見て、此方へ来ました。薄々、思ってはいたのですが真逆のご本人だったとは……。別人だと思っていました。私も小説を書いているので、宜しければ見て下さい。更新、応援しております。 (2018年4月7日 16時) (レス) id: 960304c1ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テツ | 作成日時：2018年3月7日 0時
