君が傍に居るなら3(ゴーゴリ) ページ15
・・・・・・・・・中々出ない。まだ寝ているのだろうか。それとも、まだ昨日の事を引きずっているのだろうか。
天にも祈る気持ちで、僕はスマホを力強く握り締める。
十秒以上経った頃だろうか。
『・・・・・・何？』
静かだった電話の向こうから、矢張り寝起きだったのかやや低い声のAちゃんの声が聞こえて来た。
「Aちゃぁぁん！！！！」
歓喜のあまり、僕は半端泣きべそをかきながら叫んだ。
『朝から煩いんだけど。用件は？』
「風邪引いちゃって・・・、寒くて・・・それでっ、寂しくなって・・・！！」
安堵感が押し寄せ、感情に任せて僕がそう一気に捲し立てると、そんな僕に吃驚したのかAちゃんが『風邪？』と訊き返す。
そして、僕が「うん」と答えると短い溜息がした。スマホを通じて耳元で吐かれた溜息に、思わず身体がピクリと反応してしまう。
おっといけない。溜息くらいで反応してしまったら、またAちゃんに冷たくされてしまう。
『・・・毛布被って待ってて』
でも、流石は僕の愛しい恋人、Aちゃんだ。昨日の夜、約束を破ってしまった僕にも優しい言葉を投げかけてくれる。
「良いの・・・？！！有難うAちゃん！！」
僕がそう言うと通話は切れた。
_______嗚呼、本当に天使みたいだ。
スマホを戻し、ぼんやりと天井を見つめる。何故、こんな僕にAちゃんは優しくしてくれるのだろう。僕が恋人だからだろうか？
・・・幾ら考えても理由が分からない。
瞼の裏にAちゃんの顔が映し出される。
「・・・まだかなぁ、Aちゃん・・・」
毛布の気持ち良い柔らかさが生んだ眠気に包まれ、僕は先刻まで待ち望んでいた暗闇に、意識を奪われた________
君が傍に居るなら4(ゴーゴリ)→←君が傍に居るなら2(ゴーゴリ)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
テツ(プロフ) - 宵の明星さん» わざわざ見に来て下さって有難うございます・・・！これからも更新頑張ります！ (2018年4月7日 17時) (
レス) id: d776172fc0 (このIDを非表示/違反報告)
宵の明星 - Twitterを見て、此方へ来ました。薄々、思ってはいたのですが真逆のご本人だったとは……。別人だと思っていました。私も小説を書いているので、宜しければ見て下さい。更新、応援しております。 (2018年4月7日 16時) (レス) id: 960304c1ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：テツ | 作成日時：2018年3月7日 0時
