僕には全てお見通し15 ページ19
____私は夢を見ていた。とても幸せな夢。
『Aー!朝だよー!起きて僕の朝ご飯作ってー!』
それは、乱歩さんが寝ている私を揺さぶって起こしてくれるだけの夢だった。
・・・でも、夢の中の私と乱歩さんは今よりも大人になっていて、一緒の家に住んでいた。
他愛も無い話をしながら、二人きりで朝食を食べて、笑う。
世界に私達しか居ないかのように、外は静かで、時はまるで止まっているかのようだった____
「・・・きて、起きてAー!」
聞き慣れた声に再び現実に引き戻され、私は瞳を開ける。
すると、目と鼻の先に私を微笑んで見つめる乱歩さんの顔があった。
「・・・ら、乱歩さん?!」
思わず驚きの声を漏らしてしまう。
「あ、ようやく起きたね!先刻から呼んでもなかなか起きないから、如何しようかなーって思ってたら・・・」
乱歩さんは其処まで言うと、クスクスとさも可笑しそうに笑い始めた。
「Aってば、寝言で僕の名前呟きながら笑ってたんだよ?」
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midori(プロフ) - すごくいいです!!頑張ってください!! (2017年11月26日 16時) (レス) id: 6061ae511d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テツ | 作成日時:2017年11月18日 23時