【銀魂】空から女の子が降ってきました。20

第八百五訓 ページ39

手紙は後半につれて、私と将ちゃんの出会いだったり会話の内容だったりを記すようになって行った。



懐かしい気持ちに浸っていれば、段々と涙は止まってきて。







"思えば余がそちに会ったのは我が妹、そよがきっかけであったな。真選組という立場ながら彼女のお転婆に手を貸した者として噂は聞いていた……


その時からそちがどんな者かと気になっていたのだ。


そして実際に会ってみれば、Aは余の想像以上に愉快な人間で一緒に時を過ごすのがただただ楽しかった。


城下の話を聞くのも、真選組の話を聞くのも、万事屋の話を聞くのもどれも余には新鮮で、驚きで、楽しかったのだ"







嗚呼、嗚呼、そんなふうに思ってくれていたのか。

成り行きでなってしまった友人という立場……最初は荷が重いとしか感じてなかったが、私もいつの間にか楽しいと感じるようになった。







"思えば、余の城下の知識はほとんどAから授かったものであるな。


大きく頬が落ちる程に甘いというパフェとやらも、金子を握らせさえすれば知りたい事をなんでも教えてくれる闇深い輩とやらも、

背徳感と優越感に浸れる…狭きながら良い景色の絶好の隠れ場所とやらも、城に篭っていては絶対に得る事が出来ない護るべき大切な仲間(とも)とやらも。


余はそちから沢山のものを貰い、満たされた。大したものを返す事は出来なかったが、せめてもの礼をさせて頂く。本当にありがとう"







『……っ、』







お礼を言いたいのはこちらの方だ。
沢山の物を貰ったのはこちらの方だ。


仲間の為でもあったけど、貴方が貴方で居てくれたから……貴方が優しい将軍として私達の上へと立っていてくれたからこそ私はこの江戸を愛してた。


本当に貴方は、私が見てきた主君の中でも飛び抜けて名君であった。いい物を見せてもらった。だから礼を言うのはこちらなんだ。







『ありがとう、なんて言わないでよ……将ちゃん、』







だからありがとう、なんて言わないで欲しかった。

礼を言うくらいなら帰ってきてよ、なんて貴方の優しさに甘えて願ってしまいそうじゃないか。






"最後になってしまったが、余は本当にそなたに感謝をしている。感謝しても感謝しても足りぬ程沢山の物を貰った。





友人も、楽しさも、知識も、経験も。そして……





＿＿＿＿＿＿＿＿愛情も"










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