【銀魂】空から女の子が降ってきました。20

第八百二訓 ページ36

呼吸が、しづらい。






＜Aちゃんの元にある手紙は、将ちゃんが最後に遺した言葉だ＞






＿＿＿＿＿＿＿嘘。



…………嘘、嘘嘘嘘嘘、嘘だ、嘘だよ、信じない、信じられないそんなの、信じない、信じたくない。






『嘘、嘘だよ、だって、何で……数日前まで私の目の前で笑ってたじゃん…！絶対また帰ってきて、そしたら江戸の穴場を沢山紹介して、甘味処巡って、』



＜……少ししたら江戸で葬儀が行われる。報もすぐそちらに飛んでいくだろう＞






嫌、嫌、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ！！！！！






近藤「……っ？Aちゃん！？ど、どうした！？何があった！？誰から……」



『こ、近藤、さ、』






後ろから聞こえてきた近藤さんの声に振り返る。が、視界がぼやけてよく見えない、気持ち悪い、なに、なんだこれ、






近藤｢顔が真っ青じゃないか…！それに…何で泣いて、｣






＿＿＿＿＿＿嗚呼、泣いているのか。私は。


頬を伝う液体は、頬に感じる濡れた感触は、全て涙によるものだったのか。この胸に穴が空いたような感覚は、悲しみによるものだったのか。






『とっつぁん、から、電話……将、ちゃんが…っ、』






はぁ、はぁ、はぁ、とまるで転びそうになりながらも走っているような苦しそうな荒い呼吸音が聞こえて来る。

それが自分のものだとわかったのは、少し時間が経ってからだった。






『将、ちゃん……がっっ、』






言葉が、声が、出ない。続きがどうしても言えない。気持ち悪すぎてどうにかなりそうで。


そんな様子を汲み取ってくれたのか、近藤さんが携帯を代わってくれた。とっつぁんと何か話していて…総悟が内容を傍で聞いてる。






土方「っおい、A！！A！！」



『っなんで、』






だがそこで立っていられず、がくりと膝から力が抜けてその場に座り込んだ。


頭がガンガンして気持ち悪い。不快感が押し寄せてくる。自分の体に何が起きているのか、よく分からない。


ただただ能内には、笑う将ちゃんの姿があった。まるで走馬灯かのような感じで思い出される記憶。それに更に気分が悪くなる。





トシが何か言ってくれているが、全く聞こえなくて。





将、ちゃん、将ちゃん将ちゃん。


もう君には会えないの？


一生、これからずっとあの笑顔を見れない？あの優しい声を聞けない？あの逞しい背中を仰げない？










＿＿＿＿＿＿嫌だよ、










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