第七百九十七訓 ページ31
なんだと思って後ろを見れば、
『!総悟!!』
土方「誰がセクハラだクソガキコルァ!!」
沖田「あれ、パワハラの間違いでした?」
______なんだか懐かしい気もする総悟がいた。頭に包帯を巻いており、私達とは違う任務とやらで忙しかったみたいだ。
『なんだか久しぶりな気もするけど……怪我してるね。大丈夫かい?ていうか首根っこ離してくんない』
沖田「ま、どこぞのチンピラシータとちょいとやり合ったもんでね……」
『え?ラピュタ?』
沖田「一言で言えば戦闘狂でしたぜ。随分とイカれてやがるシータでねぇ、厄介な客でした」
あれ?ていうか首根っこ掴んでる手はそのままなの?無視なの?めちゃくちゃ苦しいんですけど。
沖田「だがそっちの客も厄介だった様ですねィ」
『!……まーね。見ての通り私達も万事屋の皆も満身創痍ってやつ?死傷者は結構少なかったみたいだが…天導衆に一杯食わされたね』
沖田「まあこっちの大将が死んでねーなら上々でしょーよ」
『………うん』
(……将ちゃん…とりあえず命だけは安全だ。天子の庇護下にある京へと行けば天導衆であろうと中々手を出しづらいだろうし)
一抹の不安にきゅっと下唇を噛み締めた。
(……大丈夫…だよね。天子の元なら、私達の目が届かなくてもきっと)
すると総悟が急にパッと首根っこを掴んでいた手を離してきて。
『……っえ、うわ!?』
重心が傾きつつもなんとか着地した、けど………いや危ないな!?何すんの!?
『ちょ、総______』
沖田「あんまメソメソしてんのァ、あんたらしくねェですよ。そろそろ江戸に着くことだし帰ったら食べる餡蜜の事でも考えといたらどうですか」
『!………うん…そうだね』
どうやら彼は不器用ながら元気づけてくれたらしい。
ふと戦艦の窓から外を見れば、碧い空が目に飛び込んできた。いっつも屯所で日向ぼっこしながら見てるあの江戸の空だ。
少し灰色の陰りがある気がしたけれど、きっと大丈夫。やり直せる。再起の時は来る。
(………だから、目は逸らさないよ。私は絶対。この碧い空から……絶対に)
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RENKA - 初コメ失礼します、感動しました号泣です涙止まんないです!!心がキュンキュンしました!!もうキュンキュン通り越してギュンってなりましたよ!← これはホント何回みても飽きないですマジで!!最高っす!!!ってことでちょっともう1回読んできますね(( (2022年7月5日 11時) (レス) id: 345a1df315 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 涙止まんなすぎてバスタオルで拭きました最高ですめっちゃ感動しました!!!!! (2022年7月4日 21時) (レス) @page41 id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - イルさん» 将軍暗殺篇はこれにて閉幕です、NEXTとしてはさらば真選組編ですね!!ハンカチのご用意を……w結構心理描写が精神的に来るものがあると思われますです……更新頑張ります!将軍暗殺篇ありがとうございました!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 雑草のかきあげ(仮垢)さん» 最初からw!?!かなり長いですよ!?w大丈夫ですかほんと無理しないでねw!?!更新頑張りますw将軍暗殺篇ありがとうございました!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - つなかんさん» いやこちらこそぎゅんぎゅんして頂いた様で(?)良かったです、更新ノロマですが宜しくお願いしますw!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年5月3日 15時