第七百九十一訓 ページ25
まるで暴れる様に剣を振りかざして振りかざして周りの敵を斬りまくる。
骨が折れてるだとか、体中から血が出てるだとか、そういうのは一切忘れていた。それを覆い尽くす感情のままに。
"松陽があの世で嘆いている"?
アンタが、それを言うのか。
銀時君から、高杉から、私から先生を奪ったアンタが。
『っ、』
もし先生が生きていたら私はきっと沢山の兄弟子がいた。銀時君達と志を共にしていた。
確証のない未来に縋るつもりはない。けど私は…私は、
一度でもいいから"お兄ちゃん"って、彼等に言ってみたかった。"なんだ?"って微笑んで欲しかった。兄弟が、欲しかった。
(私だって…私だって、先生と銀時君と皆で。松下村塾で笑い合いたかった……!)
先生とは違う、母のものとも違う。その不器用ながら暖かい優しさに触れて。そして優しく乱暴に……
頭を、撫でて欲しかった。
『_____私の人生から彼等を奪ったお前らが…あの人を語るな!!!!!』
ぎりりっ、と強く歯をかみ締めて、ドシュッ!!と目の前の敵を斬った。そして目の前には殺気立った朧。
振り上げられたそいつの獲物。睨みつけてそれを防ごうとした時_____
「ああ、全くもってその通りだ」
『……!』
後ろから、すぐ近くから聞き慣れた声がして。
顔のすぐ横から見慣れた茶色の木刀が勢いよく突き出された。
________ドガッ、!!!!!
「!ぐ、」
それは朧の剣を、見事に弾いて。
『ぁ、』と間抜けな声を出せばその木刀はそのまま朧に斬りかかって。
「テメェが!!松陽を______!!」
朧の動きが、止まる。
そしてその瞬間、木刀とは反対側からもう一つの兄の腕が……その剣が伸びてきて。
「_________語るんじゃねェ」
朧の左目に、その剣が突き刺さった。
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RENKA - 初コメ失礼します、感動しました号泣です涙止まんないです!!心がキュンキュンしました!!もうキュンキュン通り越してギュンってなりましたよ!← これはホント何回みても飽きないですマジで!!最高っす!!!ってことでちょっともう1回読んできますね(( (2022年7月5日 11時) (レス) id: 345a1df315 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 涙止まんなすぎてバスタオルで拭きました最高ですめっちゃ感動しました!!!!! (2022年7月4日 21時) (レス) @page41 id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - イルさん» 将軍暗殺篇はこれにて閉幕です、NEXTとしてはさらば真選組編ですね!!ハンカチのご用意を……w結構心理描写が精神的に来るものがあると思われますです……更新頑張ります!将軍暗殺篇ありがとうございました!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 雑草のかきあげ(仮垢)さん» 最初からw!?!かなり長いですよ!?w大丈夫ですかほんと無理しないでねw!?!更新頑張りますw将軍暗殺篇ありがとうございました!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - つなかんさん» いやこちらこそぎゅんぎゅんして頂いた様で(?)良かったです、更新ノロマですが宜しくお願いしますw!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年5月3日 15時