【銀魂】空から女の子が降ってきました。20

第七百八十五訓 ページ19

それからは元来た道を走って逆戻りした。心の中には兄弟子達が居る。



心配で心配で、仕方が無くて。
死肉を食らう烏共にどうしようもなく腹が立って。






(っざけんなよ……！！)






銀時君も高杉も、先生を失った事に対して言葉じゃ表せない複雑な感情を抱いてた。

だからこそ今回の騒動で自分達の信条をかけて戦ってるんだ。先生から、卒業する為に。



なのにそれを部外者が勝手に踏み荒らして邪魔するたァ…どういう了見だ。



邪魔はさせない。私の兄弟子達の魂は私が守らなきゃ。先生の為にも。






『っはぁ……、っは、』






走る。走る。夜兎達を斬りながら進んできたから随分と長く思えた抜け道は、一人で走れば随分早く出口が見えてきた。


差してくる光に目を細めながらも先生を想う。私に全てを教えてくれた松陽先生を。






(＿＿＿＿＿＿ねぇ、先生)






出会い方は複雑だったけれど私は貴方の弟子達に、自分の兄弟子達に、会うことが出来ましたよ。


貴方と交わした"約束"自体は、護れなかったけど。














.














それは、とうの昔の……幼い頃の約束。直ぐに忘れてしまうような些細な会話だった。







『先生先生』



「ん？どうかしました？」



『私の兄弟子ってどんな人達なんですか？』



「！……興味、あるんですか？」



『勿論！私にお兄ちゃんは居ないし……』



「ふふ、あの子達もきっとAみたいな可愛い妹が出来たら毎日取り合いでしょうね」



『…あ……でも、いいんですか？最近先生は毎日私の所に来てる。私は嬉しいけどその人達は寂しいんじゃ、』



「おや、嬉しいと言ってくれるんですねぇ」



『せ、先生！！貴方はいつもそうやって私をからかって話の腰を折りますけど、よくないです！貴方の悪い癖ですからね！』



「ふ、それはすみません。ですが心配はいりませんよ？あの子達ったら私が居ない間に盗み食いだの喧嘩だの色々やらかす悪ガキですから……」



『そうなんですか？三人って聞いたけど、全員そんな人達なの？』



「皆根はいい子達なんですがねぇ……どうも息が合わなくて。しかもかなりの悪ガキで。まあよき好敵手でもあるんですがね」











私と兄弟子達を会わせてくれるという、あの約束を。












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