５話 ページ7
始業式以降は、平穏な毎日を過ごしていた。
それでも私は物語の主人公格のなれる素質を持つ人間、京子ちゃんと友達だ。
周りに寄ってくる人ももちろん主人公格なわけで、沢田くんとも獄寺くんとも山本くんとも運良く仲良くなれてしまった。
いや、獄寺くんは仲良くはないかもしれない。
沢田くんをなぜか“１０代目”と慕っている獄寺くんは、彼以外には全く興味を示さない。
周囲に対して嫌悪感を見せていることすらあるが、危害を加えられることはないので特別気にはしない。
そんな私は七月下旬の夏真っ盛りな今日、友達と海に来ていた。
メンバーは私、京子ちゃん、沢田くん、獄寺くん、山本くん、それからはじめましての三浦ハルちゃんだ。
「デンジャラスキューティー……新たなライバルですか！？」と最初に言われた以外は明るくて可愛くてとてもいい子だ。
おかしな言動も、行く途中の沢田くんへの積極的なアピールを見てなるほどと納得できた。
そして私含む女子三人は着替えを済ませて皆と合流するところ。
自分の存在が恥ずかしくなるほどの二人のスタイルの良さと顔面偏差値の高さ。
日焼け対策のパーカーを持ってきた自分を褒めてあげたい。
「A、パーカー暑くないの？」
体型を隠すように若干猫背ぎみになる私に話しかける沢田くん。
私とハルちゃんは呼び捨てで京子ちゃんのみちゃん付け。
こんなの京子ちゃんが好きですって言っているようなものでは？
誰もそのことに触れないあたり、優しさなのか皆が鈍感なのか。
ハルちゃんは沢田くんが好きで、沢田くんは京子ちゃんが好きで、京子ちゃんの矢印が誰に向いているのかは不明だが、全部が全部見事な一方通行だ。
「あんまり日焼けしたくなくて」
友人に対して引け目を感じているなんて話をされても反応に困るだろう。
パーカーを持ってきた本来の理由を愛想笑いを混じえて話すと「女子って大変だなー」と沢田くんは小さくこぼした。
｢でもでも、せっかく来たんですから日焼けは気にしすぎずに遊びましょう！｣
視界の端でポニーテールが揺れる。
右隣でハルちゃんが満面の笑みをこちらに向けていた。
「そうだよ！あ日焼け止めクリームをこまめに塗ってれば大丈夫！」
その後ろで外ハネの茶髪をぴょこぴょこと跳ねさせて京子ちゃんが話す。
パーカーを脱ぐつもりはないけれど、今日を楽しみたいと思った。
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小学7年生(プロフ) - 雛。さん» 雛。様、コメントありがとうございます！そのコメントが嬉しいです〜！！ちまちま更新しますので今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月8日 18時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 加筆嬉しいです。ありがとうございます (2021年12月8日 8時) (レス) @page11 id: 9ec0000aae (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 弥冬さん» ありがとうございます！ これからもニヤニヤしながら読んでいただけるよう頑張ります！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 霧菜☆紗理屋さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです！ これからも読んでくださると嬉しいです！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
弥冬(プロフ) - 面白くてニヤニヤが止まりません！応援してます (2020年4月14日 0時) (レス) id: 0c4007c939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学７年生 | 作成日時：2020年4月13日 11時
