４０話 ページ42
【A視点】
――パンッ
「当たった……！」
計十六発目にしてようやく的に当てることができた。
撃った瞬間に反動で弾の軌道が上に逸れてしまうことは今の自分では対処できなかった。
そのため銃口初期位置を僅かに下に向けて反動への対策を講じてもなぜか当たらない。
闇雲に打っても当たらないことが分かった私はそれを少し考えた。
考えている時に髪の毛が風になびいて、それが邪魔でハルちゃんみたいにポニーテールにした時、ふと思いついた。
風のせいで弾の軌道がズレるのではないかと。
気付いたからといって全てが上手くいくわけではなかったが、風の力を考慮して打つと今までよりも的の近くに弾が当たるようになった。
そしてたった今、的に当てることができたのだ。
「リボーンくん、当たった！」
「何発目だ？」
｢……じゅう……いち？｣
二十発近く撃ってればまぐれでも当たりそうだ。
そう言われないために少しサバを読んだ。
「下手な嘘を愛想笑いで誤魔化すな。銃声は十六回聞こえたぞ｣
「分かっててなんで訊いたの！？」
スパーンッと軽快な音が私の頭の上から響いた。
「それだけ撃てば腕も痺れてるだろ。感覚を手に覚えさせるのに腕が麻痺してちゃ意味がねぇ。少し休憩したら今度は十五メートル先の的に当てる練習だ」
まぐれ、とは言われなかった。
そんなことが嬉しくて私はルンルン気分でお茶を飲む。
少し離れたところではツナくんとバジルくんが額に炎を灯しながら戦っている。
額に炎なんて普通じゃない。
でも、そういうものなんだろうな、とすんなり受け入れてしまった。
銃を渡された時だって、銃刀法違反とかそんなことは考えずに受け取った。
変に慣れてしまった。
教育と称してツナくんに蹴りを入れるリボーンくんという光景はいつの間にか見慣れていた。
それと同じように、こんな非日常に慣れ始めている私はどこに向かっているんだろう。
どこであろうと、どこでもいい。
平凡、普通。
そんなのよりは全然楽しいのだから。
そう感じる私は既に彼らに染め上げられているのだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 287人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小学7年生(プロフ) - 雛。さん» 雛。様、コメントありがとうございます！そのコメントが嬉しいです〜！！ちまちま更新しますので今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月8日 18時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 加筆嬉しいです。ありがとうございます (2021年12月8日 8時) (レス) @page11 id: 9ec0000aae (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 弥冬さん» ありがとうございます！ これからもニヤニヤしながら読んでいただけるよう頑張ります！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 霧菜☆紗理屋さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです！ これからも読んでくださると嬉しいです！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
弥冬(プロフ) - 面白くてニヤニヤが止まりません！応援してます (2020年4月14日 0時) (レス) id: 0c4007c939 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小学７年生 | 作成日時：2020年4月13日 11時
