３２話 ページ34
ツナくんたちがいない間を狙われるかもしれないという理由で私も戦いを見に行くことになった。
道中はツナくんの不安そうな独り言が鳴り止まず、このままではリボーンくんが黙ってないのではと思ったら案の定。
頬に大きな靴跡を作られたツナくんは今度はリボーンくんへの恨み節を披露しだした。
それでも不安や泣き言よりはずっとよく、私は苦笑しながらそれらを聞き流した。
並盛中の校門には既に獄寺くん、山本くん、笹川先輩が揃っていた。
校門から少し歩いた渡り廊下の屋根の上。
そこには既に相手チームとチェルベッロの二人がいた。
誰が参加したか不明の厳正なる協議の結果、今日行われる第一戦は、晴の守護者同士の対決と知らされた。
「あの坊やね」
サングラスをかけた派手派手しい見た目の男性が言った。
こちらから出るのは笹川先輩。
ボクシング部で鍛えられていることは知っているが相手は大人だ。
信じたくても心配の気持ちが勝るのは仕方がない。
「あちらをご覧ください」
チェルベッロがある方向を指さすと照明が点灯し、ボクシングで使用されるようなリングが目に入る。
それはチェルベッロが用意した特設リングで、指輪争奪戦では各勝負ごとに特別な戦闘エリアが設置されるらしい。
「それでは晴の守護者、リングの中央へ来てください」
笹川先輩を見送ろうとしたその時、山本くんが「円陣とか組まねーの？」と言い出した。
乗り気なのは笹川先輩のみ。
ツナくんと獄寺くんは嫌そうにしている。
けれど拒否権などなく、獄寺くんは山本くんに、ツナくんは笹川先輩にふんずかまれて円陣に参加させられた。
「せっかくなんだし小村も一緒にやろーぜ！」
戦わない私は関係ない。
大人しく見ていよう。
そう思っていたがそうはならなかった。
山本くんに誘われおずおずと近づく。
ツナくんと笹川先輩の間がすっと開き、私はその二人の間に収まった。
肩を組んで縁を作ると私たちは誰からともなく上半身を前に倒す。
「了平ーッファイッ」
掛け声はなんだろうと考えているうちに左隣の笹川先輩の大きな声がした。
後に続く言葉に察しがつき、私は急いで息を吸う。
「オー！！」
私と山本くんと笹川先輩の声が円の中で響いた。
それから間もなくツナくんの遠慮がちな「おー……」が残った。
獄寺くんの声はしなかった。
私たちにかき消されたのか、そもそも言わなかったのか。
おそらくは後者だろう。
いよいよ、勝負が始まる。
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小学7年生(プロフ) - 雛。さん» 雛。様、コメントありがとうございます！そのコメントが嬉しいです〜！！ちまちま更新しますので今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月8日 18時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 加筆嬉しいです。ありがとうございます (2021年12月8日 8時) (レス) @page11 id: 9ec0000aae (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 弥冬さん» ありがとうございます！ これからもニヤニヤしながら読んでいただけるよう頑張ります！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 霧菜☆紗理屋さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです！ これからも読んでくださると嬉しいです！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
弥冬(プロフ) - 面白くてニヤニヤが止まりません！応援してます (2020年4月14日 0時) (レス) id: 0c4007c939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学７年生 | 作成日時：2020年4月13日 11時
