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4話 ページ5

敦side

景さんと別れて約三十分。

川を流れる人を探すが見つからない。

まあ、そんな人がいる訳ないけど・・・・・・・・

矢張りあの人が嘘を吐いていたのではないだろうか

でも嘘を吐くような人には見えなかったし・・・・

グウウウウギュルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

ついに空腹に耐えきれず通りかかった人から奪うことにした
悪いことだとわかっているが、生き延びるためだから・・・・・・

・・・・十分後・・・・・

敦「駄目だあぁ・・・」

やっぱり僕はなにをやっても・・・・

いや、でも、二度あることは三度あるから
四度めなら何か、絶対あるはず・・・!

敦「・・・次だ。次こそ絶対に・・・・」

気を取り直し、敦は次の標的を待ち伏せる。
目を伏せ、微かな足音も逃さないように耳をすまし、ジッと周囲の気配を探った。

誰か来るーーーーー。

敦の指がピクッと震え、緊張が走った。
これは間違い無く人の気配だ。

敦「今度こそっ‼」

敦はバッと、気配のする川の方を振り返る

敦「・・・・・お・・・・っ・・・」

目の前に飛び込んで来た“それ”を敦は思わず凝視した。

(・・・・・・・あし?)

何度みてもそれは確かに“人の足”である。

夕日をはね返しながら輝く水面にがに股で浮かんでいた。

敦は思わず一歩、二歩と後ずさりした。

ゴボゴボゴボッと水中から濁った音が聞こえてくる

おまけにその足はゆっくりと敦の方へ流されてくる

(・・・・こ、これは・・・)

斬新な魚の取り方・・には見えないし、泳ぎの最中、というわけでもなさそうだ

それとも、空腹で目が回りすぎて幻覚を見ているのだろうか

それなら良いが目の前を流れていく足はどうやら本物のようだ

ピクピクと痙攣しているところを見ると、まだかろうじて生きてはいるらしい

そのことに少しばかり安堵した

しかし、そうなるとこの人が次の標的、ということになるのだが

敦「いやぁ〜〜〜〜〜〜〜」

先ほど景に言われたことも忘れ、大きく首をひねる

敦「流石にこれはノーカンでしょ・・・・・・」

いくら死にそうでも、こんな人を狙うのは嫌すぎる

敦「ノーカンにさせて下さい。ノ、ノーカンに・・・!」

こっちだって死にそうになっているのに、他人に構っている余裕は無い

敦は目をつむり拳を握る

こうしている間に足はどんどん川下へ流されていく

敦「えぇーーーーーーい!!」

大声をあげ、川に飛び込む

勢いよく水しぶきが上がり、ドボンという音があたりに広がった

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しお(プロフ) - とても面白かったです!文才ないって言ってたけれど、そんなことない!最高です! (2021年5月26日 22時) (レス) id: 1e137b7116 (このIDを非表示/違反報告)
咲太郎 - とても面白いですね (2021年5月12日 18時) (レス) id: a3f4336cb6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:孔雀 | 作成日時:2021年5月8日 16時

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