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2人は壁際に鞄を置き、窓から外を眺めた
夏目(両親を早くに亡くした俺とAは親戚の家を転々としてきた 血の繋がっていない…
でも俺達と関わりを持ってしまった人々の間で俺達は暮らして来た
この家のお世話になり始めたのは先月
ここはかつて俺やAの祖母も暮らした土地
亡くなった祖母達も俺達と同じように他の人には見えないものを見てしまう力を持っていてそのせいで周りから疎まれていたという…)
貴方「貴志」
夏目「?」
貴方「これ」
Aが押し入れから出したのはレイコと綾子の遺品を入れていた箱だった
貴方「確か貰った遺品の中に“友人帳”があったはず…」
ゴソゴソと奥を調べる
貴方「あっ あった」
出したのは2つの友人帳
夏目「これか 招き猫が言ってたの 何なんだこれ?」
中を見ても全然字が読めない
貴方「私も読めないわ…」
『それを渡せ』
何処からかまた声が聞こえて来た
後ろを振り返ると天井に黒いモヤが現れていた
『それはお前達の持つべき物ではない』
夏目「(睨」
『友人帳を寄越せー!!』
猫は巨大な妖となり、A達に飛びかかってくる
夏目「A!」
貴方「!」
グイッ
Aを慌てて引き寄せた
ドカァァァァァンッ
大きな音を家中に響かせた
塔子『貴志くん!Aちゃん!今の音は?なぁに?』
塔子の声が聞こえ、2人は慌てて階段から下を見下ろした
夏目「す、すいません!何でもないでーす!」
貴方「すみません 大丈夫ですから」
塔子「そう?
ちょっとお買い物行ってくるから お留守番お願いね?」
夏目「はい いってらっしゃーい!」
貴方「いってらっしゃい 塔子さん」
2人は塔子を見送って部屋に戻り、障子を閉めた
貴方・夏目「「(ハァァァッ」」
呆れたように見た先には押し入れの襖に突っ込んで抜けなくなっているニャンコ
ニャンコ「私を出せ!友人帳も出せ!
あっ いやいやいや まず私を出せ!先に出せ!その後に友人帳だ!」
貴方・夏目「「(ハァァァッ」」
夏目「しばらくほっとくか…」
貴方「それもそうね」
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作者名:宝石姫 | 作者ホームページ:http://krarebo2/kazama-hirot
作成日時:2021年7月30日 14時