【実iｼ兄i者】どうにかしてください。【fj】

幼馴染み　7。 ページ7

「あ、そうそうちなみに左隣が俺の部屋ね。壁薄いから、結構声も届くよ。」

『うん、わかったから取り合えず離して？』

「やーだね」


ぽふ、と肩に頭を預けるとぐりぐりと頭を押し付けてくる。
もう、なんでこんな事するのこの人は…！？


『フッ、フジくんやめよ…！？』

「あー、この香水の匂い良いね。丁度俺の好きな感じ。たまんないよ、狙ってる？」

『ねっ、ねねね狙ってない！！』


嘘だ！そう言いながら、腰に回す手に力を込めて私を更に強く抱きしめだしたフジくんに、私はどうすれば良いのか考える事も出来ない。


これじゃいつになっても片付け終わらないじゃん…！！


『フジくん！まだ片付け終わってないから…！！』


ほぼほぼ駄目元で声を出すと、フジくんは力を少し緩め、積んであるダンボールを見つめると、


「…それもそうだね、先に片付けよっか。俺も手伝うよ？」


私の頭を撫でながら、優しく笑ってくれる。
いや、でもそれは…



『手伝ってくれるのは、遠慮しときます』

「えっ、」


いや、だってフジくんと片付けしたら(絶対フジくんが)脱線するし。
さっさと終わらせたいから、一人が良いかな。



自分の要望を伝えると、フジくんは笑って、それじゃ俺は動画の編集を終わらせてくると、部屋から出ていく。


だが、すぐにもう一回部屋に顔を出し、


「全部片付けが終わったら、一緒にご飯作る？それとも食べにいく？」


『うーん、フジくんの手料理食べたいかも。』


と、ご飯の事を聞いてくる。
俺もAの手料理食べたい。と笑うと、


「あ、そうそう。片付け終わってないって言ったのってさ、俺が沢山一緒に
居たいって気づいてくれたんだよね。


俺すっごく嬉しい。」


本当に嬉しそうに笑うと、今度こそドアを閉めて、自分の部屋へと帰っていく。
本当はそんな事、全然無いんだけど。


『……そういう事にしといてあげようかな。』


喜んでくれるのなら、それで結構私は満足。


＊＊＊


『フジくーん、片付け終わったよ。』

「やっと！？遅くない！？」

『えっ、でも2時間位だけど…』


それでも遅い、と言うフジくんはまた私の腰に手を回すとベッドに座る。
そのまま、後ろからずっと抱き締めたまま黙ったまま。

『( これ結構恥ずかしいんだけどなー… )………あの、フジくん？』

「充電中だから逃げないでね？」

『……はい。』

ぴしっ、と私が背筋を伸ばすと、フジくんは嬉しそうに笑い出す。
その笑顔は、反則ですよ？

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