【実iｼ兄i者】どうにかしてください。【fj】

幼馴染み　5。 ページ5

『あ、フジくん私そろそろこれから住むマンション行かなきゃ。』


つけてある腕時計を見てフジくんに伝えると笑ってそうだね、と言ってくれる。
あ、大切な用事とかだったら結構優先してくれるのかな？


「あ、そうそう。寄りたいお店あるからそこ行っていい？」

『え？うん、良いけど…？』


嬉しそうに私の手を引っ張る彼を不思議だと思いながら見上げる私。
すれちがう度色んな人がフジくんを見て夢を見るようにかっこいい、と声を出す。


『( カッコいいのかな？ )』


久しぶりにあったから、昔とは結構違うけど。
優しい所とか、無駄にベタベタしてくる所とかは変わってない。


でも、そんな所を取り除いたらかっこよかったりするのかな。
…確かに、顔は結構かっこいいね。


「A？どうしたの？」

『いいや？フジくんがかっこいいな、って思ってただけ。』


不思議そうな顔のフジくんを見上げて笑うと、すぐに顔を真っ赤にしながらも嬉しそうに照れ笑い。
しかもはたまた繋いでいる手を強く握る。



うん、その顔もかっこいいと感じてしまうんだ。




＊＊＊


「はい、これAの分ね。」

『…………………鍵？』


店から出てきたフジくんから受け取ったのは鍵。
びっくりして思考の追い付けないままフジくんの出てきた店を見上げると、分かりやすく合鍵を作るお店。



『……ねぇフジくん、まさか…？』

「あれ、何もお母さんに聞かされてない？俺とAは一緒の部屋だよ？」

『………え"っ、』



まんざらでも無さそうなフジくんに、一気に血の気が引く私。
確かに部屋はお母さんが良い物件がある、なんて言ったから任せたけれどそうなるとは…。


「いやー、試しに頼んだらOKきたから俺嬉しかったよ！毎年写真とかは母さんに送られてきたの見てたけど、本当に会うのは久しぶりだしさ！」


『……うん、そうだねー』



そういえば、私の母とフジくんのお母さんはとっても仲が良かった。
引っ越ししてもメールしてたっけ。運動会とかでやたら写真とったら、『雄大くんのお母さんに送ってるのよー』とか言ってたな。


…あーぁ、それをまさかフジくんが全部見てるとは。


『…同居、になるんだよね？』

「うん、これからよろしくね！」


ニコニコと、素敵な笑顔のフジくんですが、私は嫌な予感しかしませんよ。

これからどうなるのだろう。そんな不安と共に、私はフジくんの車に乗り込んだ。

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