君は 72。 ページ29
『なぁ、キヨ』
キヨ「なに？どうした？」
夜空の見える窓に顔を向けたまま、思った事をそのまま伝える。
『なんで空って、綺麗なんだろうな？』
キヨ「うーん…何も吸い込んでないからじゃねぇの？」
ガスとか、そういうの、届かないんじゃねぇ？
なんて、面白い回答をするキヨに口元が綻ぶ。
ぐるぐる、きらきら。ぐるぐる、きらきら。
夜空は綺麗なはずなのに、私はそれに何かを焦らされるような感覚を覚える。
なんでだろう、何かを、教えてくれるような気がするの。
なにか、ナニか、大切な事。
忘れちゃいけない、大切なこと。
キヨ「でも俺は昼の空のほうが好きだな」
『…なんで？』
キヨ「明るくてさ、なんか頑張ろー！元気だそー！って感じになんじゃん、だから好き」
ニッと笑ったキヨに、何かがすとんと落ちた気がした。
それは不安だったのか、疑問だったのか、はたまた安心だったのか。
今日１日だけでとっても疲れたけれど、とっても楽しかった。
やっぱり、私はキヨが好きなんだ。
『キヨ、』
キヨ「ん？」
『ありがとな』
キヨを見上げて、力なく笑う。
君は私の知らない沢山をくれる。
私はまだそれに何も返せていないけど。いつか返そうと思っているよ。
ありがとう、キヨ。
そして大好き。
まぁ、それは言うつもりは無いけどね。
＊＊＊
キヨ「じゃあ！また明日な！！」
『おぅ、出来たら教室行くわ』
りょーかい！！
明るい笑顔を向けると少し手を振って、家に入っていった。
私は窓を閉めてもう一度、動き出す景色を眺める。
なるべく人が通らない道を選んでくれているのは、普段私がしっかりと見られない世界を見せてくれるレトさんの優しさ。
嬉しいなぁ。
暖かい感情が胸を溢れてくる。
その暖かさに浸ろうと、ゆっくりと目を閉じようと、
した、その瞬間だった。
『……っ、』
ぴき、
暖かさが凍り付く。
違う、違う。
だって一瞬だもの。きっと違うよ。
ほら、もう見えない。
思わず両手で顔を覆う。
まだ、私の荒い息にレトさんは気づいていない。
きっと、きっと、
私の見間違いなんだ。
『……ｯ、おねぇ、…ちゃん…』
ここに、
彼女は居るはずが無いんだから。
きっと、違う。
＊＊＊
とある十字路の歩道に、スーツ姿の綺麗な女性がいた。彼女は幸せそうに笑っている。
「……A、やっと会えた」
…いや、幸せそうに見えているだけなのかもしれない。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
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あずきいろ
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西 - この方角に福があるはずです
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*:まりな:*(プロフ) - ラブライブとかも好きなんですか？！趣味が合いすぎて怖いです…w1ファンとして応援してます！ (2020年8月6日 0時) (
レス) id: ce0c123210 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 続きが気になります、、、！更新頑張ってください！！ (2019年8月13日 18時) (レス) id: 491ab1b2f5 (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - すごくいいところで終わりましたね...もう続きないんですか？もし宜しければ続きが見たいです！ (2019年7月13日 16時) (レス) id: 691d41a0d1 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 続きが気になって夜もうずうずしてます！！更新頑張ってください！！ (2018年1月4日 5時) (レス) id: 33bb28b9df (このIDを非表示/違反報告)
佳音 - ふぎゃああああああああああああ//レトさん優しスギィ！皆面白イィィィィ！フジも結構好きィィィ/…すみません(´；ω；`)でも、ほんっっとに面白かったです！続き待ってます∩^ω^∩ (2017年7月2日 20時) (レス) id: 629086881d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：書店員。
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/syotenin711/
作成日時：2016年1月24日 16時
