【実iｼ兄i者】だから、君は俺の＿＿＿【ky】

君は　59。 ページ15

『はぁ？バレンタイン？』


こーすけ「そう！！世の中の男子高校生が楽しみにしている一大イベント！！そりゃAも楽しみだろ！？」


大声で言うこーすけに正直煩いと思ってしまうのだが、これが男子高校生というヤツなのだろうか。

てかこーすけ、君はこの前まで音楽鑑賞会鑑賞会って煩かったのにバレンタインデーを明日に控えるとこれなんだね。


若干(すごく)冷めた目でこーすけを見上げていた私に、不服そうな声を出す。


こーすけ「なんだよー！Aも楽しみじゃねーのかよー！……あ、もしかして昔から結構貰ってたり！？」


『んなわけねーだろ！？』


嘘だろ、なんて衝撃の顔をしたこーすけにすぐに返す、きょとんとした彼だったが、すぐにそーいやお前女性恐怖症だったな。と納得してくれた。


『………そもそもさ、こーすけ』


こーすけ「うん？」


『うち、男子校じゃん？チョコなんて貰えないっしょ』



だから静かに、と肩に手を置いた瞬間、


こーすけ「ぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁそうだったぁあぁあぁあぁあぁあ！！！」


キーン、と響く声。
そういや最近バンドのボーカルやりたいとか言ってたな。こーすけ素質はありそう。


なんて馬鹿みたいな事を耳を押さえて思っていると、ガッと両肩を掴まれる。


『ん？どしたのこーすけ？』


こーすけ「……Aは貰ったりすんのか？」


『………えっ、』


結構必死なトーンだったからびっくりして。
貰う立場じゃなくて、私はあげる立場だって事を忘れちゃいけない。



んー、でもレトさんや両親、お姉ちゃんにしかあげてなかったからなぁ…


せめても、私が作ってみようか。


『貰った事は姉にしかないけど……あ、俺作ろうか？』


こーすけ「まじで！？あ、でもなんかむなしいかも…」

『あはは、美味しければいいんでしょ？』

任せなさいって、ニコッと笑った私にこーすけはチョコは食べたいと言い笑う。


『それじゃあ俺がそんなこーすけに作ってしんぜよう…！』

こーすけ「お前はチョコ作りの神様かよ！」


そう二人で笑い合う。
あぁ、こんな楽しい毎日がずっと続けば良いのに。


ふと、そう思った。


キヨ( こーすけAの手作りチョコとかまじかよ！！いや、欲しいとか思っちゃいけねーけど…欲しいなぁ )

フジ( 俺も明日頼んでみよっかなー… )

中に入れない二人。

＊＊＊＊

今更だけど話の時期的にバレンタインネタ。

君は　60。→←君は　58。

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