【実lｼ兄l者】ちっちゃい平l和l組拾いました。【平i和i組i】

悪気は無かった。[1-2.] ページ21

「にしてもいつまでいんだよお前は。」

「ん？夕方になったら帰るよ。別にそれまで良いよねーっ？」


ソファーより後ろで、ミシンをかけている私にフジは投げ掛けるように言葉を発す。


『うん、お好きにどうぞー』


と、私がミシンを間違えないように気をつけながらもそう返すと、フジの嬉しそうな声とキヨくんの分かりやすい舌打ちが聞こえる。


それをあえてスルーするフジも、結構お達者で。
これは昔から本当に仲が良いんだな、と逆に笑ってしまう。


きっとフジはもちろん、こーすけやヒラもキヨくんのひねくれている性格をちゃんと素直に受け取っているのだろう。
本音に、気づけているのだろう。


「というかレトさん、いきなり給料とか聞き出す時はびっくりしたよ？」

『給料！！？』


これは聞き捨てならない。
私がぐるっ、と慌てて振り返ったので、レトくんは肩を大きく揺らし私から目を反らす。


さっそく失礼な事聞いてるよこの人…！！


『レトくん？？』


「ま、まままま待った！！悪気はなかってん！！全ｯ然！ほんまに全然！！」


顔を真っ青にして首を振るレトくんの後ろでこれまた分かりやすくキヨくんがゲラゲラと笑い転げている。


まぁ、少しニコッ、とキヨくんを見て笑うとすぐに黙ってくれただけOKとしよう。
ちゃんと頭の良いはすくんはさっと部屋から居なくなり。


同じく頭が良い(はず)のぴーちゃんはいまだにノリノリで足マリオとやらをしている。
……うーん、状況に気づこうか、ぴーちゃんよ。



『まずね、人に失礼な事聞いちゃ駄目でしょ？どうせレトくんの事だから私の給料の事考えて皆に物はあんまりねだるな。とか言う為だっていうのは分かってるんだけど…』



それなら直接私に聞いて？、とため息をつく。
遠慮しなくて良い、と私が言ったなら無理矢理にでも通.帳を見れば良かったのだ。


理由を聞いたら私も怒らない。
ただ、周りに迷惑をかけるのだけは止めてくれ。


「分かった…多少の事はちゃんと聞く。」

「お、俺は別に大丈夫だからね！？気にしないでよレトさん！！」


しゅん、なんて効果音が付き添うな感じで反省したレトくんを必死で慰めるフジ。
全く、こういう所は優しい彼だからこそ、周りからの信頼は厚いんだろうな。


けど、そんな空気もぶち壊す一言を、今日もまたキヨくんは発する。



「え！？何々！？それじゃル○ージの人形買っていいのA！？」


…あの、1つ言わせてもらおう。

『…なんでそうなる』

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