【実lｼ兄l者】ちっちゃい平l和l組拾いました。【平i和i組i】

会社の同僚。　[1-2.] ページ18

「買い物にしても荷物多いねぇ。……え、何？彼氏出来たの？」

『出来るか馬鹿、親戚の子達がくるんだ』

ニヤニヤとした笑みを浮かべるフジにイラッと来ながらも言い訳をする。
案外サラッと『親戚の子』なんて言葉を放ったから私自身もびっくりしたけど、まぁ案外良い嘘だよね！(

「ふーん、そっか。あっ、あのさA聞いてよ！」

『んー？』

カートを押しながら自分の行きたい所に行く私に嫌な顔ひとつせずついてくるフジ。
まぁ、その間ずっと会社の女子みたいによく喋るのだけれど。


けれど、今日は。

「そのキヨって奴がさ！誘ってきたのはあっちなのに急に一昨日『ごめん、俺遊べないわ』とか言うんだよ？

家に言っても居ないし、あのヤンキー何してんだろ…」


酷くない！？と同意を求めるフジに、私は口をあんぐり開ける始末。
なんとか口を閉じると、

『えーっと…そのキヨ、ってジャージの？』

「あ、そうそう。髪に赤いメッシュ結構入れてる人。会った？」

ニコニコしながら聞いてくるあたり、さほど不思議とは思って無いようだ。
よくこーすけ達と飲みに行くからそれで会ったとも考えたのだろう。


…と、言うか！！
それってまんまキヨくんだよね！？あ、！？え！？

キヨくんなら家に居ますけど、なんて爆弾発言をすればフジに引かれるに決まってる。

絶対人聞きは悪いけど、連行とかじゃないから。お届け物だから。チャイムがなって印鑑押して受け取ったらあの始末だから！！

でも、キヨくんを知る良い機会かも知れない。だから、

『へぇ。私もそんな感じの子が友達にいるんだけどね、フジくんなりの絡み方みたいなのってある？』

「俺なりの…？うーん、」

顎に手を当て考えた素振りを見せたので、フジくんは分からないらしい、で済ませようとしたら全力で止められた。

「ちょちょ!!…まぁ、俺らは昔から長い付き合いだから、普通って感じ…かな？」

『あぁ…そう…です、か』

曖昧な言葉を濁す私に、フジは心配そうな顔をした。大丈夫じゃないけど。この先の事を考えると君より私が心配で。とにかくキヨくんは問題児に近いポジションな訳ね。


『今度からドラマ禁止って言おうかなぁ』

「え？まだそっちも悪い事はしてないでしょ！？だから禁止とかは…」

遠い目で呟いた言葉に対し必死でそれを阻止しようとするフジ。

『あはは、嘘だよ。フジの正直者。』

「嘘かよ!」

優しいフジが、なんだかんだで(友達として)好きなんだと再確認した買い物だった。

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