【実lｼ兄l者】ちっちゃい平l和l組拾いました。【平i和i組i】

蟹は買えません。　[1-1.] ページ14

「これが近くのショッピングセンターやね！」


『レトくん達の所の方が大きいよね、』



私がレトくんを見上げると、彼は少し首を振り店が多いから、と笑った。
昨日は一日中上からレトくんを見ていたから、なんだか変な気分だ。



やはり朝起きても皆、身長が一定期間戻るタイミングはバラバラだそうで。
キヨくんはどうでもよさそうな顔しながらテレビつけてたな。



「ほんで、まず食器から買う？」

『うーん、服でも良いんだけど…』

「ほな服にしよか。」


センター内の地図を見ながら、あきらかに来るのは初めてな筈のレトさんが私を必死で3階の衣類エリアに連れて行こうとする。


逆に私はそんなレトさんに休日は毎回此処に来てるだなんて言える訳がない、と苦笑するしかない。

というかまずね、私が此処までの道を知ってる時点で分かるよね！？
知らないのに来たら只の迷子だよ！？


…と、ツッコミたい所は沢山あるが、レトくんもまぁ、こんなに必死なので今日は何も言わないでおこう。


「あ！面白そうなモン見っけ！」

『えっ、それ雑貨屋さ』

「Aちゃん！！見よう！！？」

『いや、だからあ』

「あ、こっちの店もええなぁ！次こっちね！？」




………前言撤回。
やっぱりこれは私が案内した方がスムーズだよね！！？


＊＊＊


『ふーっ、着いた』


色んな物に興味示しまくりなレトくんをなんとか引っ張り、目当ての3階へ連れてくる。
ここで服を買って、次は食器か…


改めて買うものが沢山あるな。
お金の出費の問題で若干憂鬱になりながらもサイズを確認する。


うーん、やっぱり子供用なんだよなぁ…。


「Aちゃん見てみて！！」


とんとん私の肩を叩くレトくん。
不思議に思って振り向くと、赤ちゃん用の服を片手に笑いながら、


「キヨくん細身やからむっちゃ似合いそう！！」




と声に出してから必死に笑いをこらえるレトくん。
いや、面白いよ、面白いんだけどね？



そのもう片方の蟹の着ぐるみはなんだい？



「あ、これ買って！」

『んな事できるか』


もうちょっと私の金銭面考えて、レトくん。心がもう泣きそうだよ！？

蟹は買えません。　[1-2.]→←誰でしょうか？　[1-2.]

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