【実iｼ兄i者】過去の君と、未来の私。【ky】

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『えっ！？あ、すみません！！友達が我が儘なヤツで…！！お…僕結構言いましたよね！？本当にごめんなさい！！』


『ぁ、いいんです…気にしないで、間違いはあるので…』


再び耳に響く音量で謝り出す相手に私も焦る。
なんせ、男の人と接点が無いもので。


でも、どことなく聴いた事のある声だからか、普段よりは自然と話せている気がしてならなかった。


『もっ、もう一回電話確認してみます！なんせ友達の借りたんで…』


『えぇ、大丈夫ですよ』


どうやら自分の携帯の充電が切れたらしく、登録のしていない友達の電話でかけたらしい。
よく携帯番号覚えてたな…記憶力良いのかも。


数十分してかかってきた電話は、また違う番号だったが、


『充電してきたんで！』


『はい、…どうでした？』


『心配かけてすみません！もう大丈夫です！！』


元気な声でそう告げる相手に自然と笑みが溢れる。
そんな私に、彼は声を出したが、今度は戸惑っている様に感じられた。


『ぁ、あの……出来ればこれからも話したいです………なんて』


駄目ですよね！なんて明るく言う彼に私は少し悩み、


『……良いですよ』


と、返す。
すぐに間抜けな声が聞こえ、良いんですか！？と逆に言われたけれど。


こんなケースの詐欺は聞いた事もないし、多分この人なら何も無いだろう。


『私は淀峰Aです。えっと……貴方は？』


『あ、お…僕は清川愁也です！キヨって皆に呼ばれてるんで、それで…！』


そう言う彼に、私はキヨくんと呼ぶ事にする。
キヨ、その名前は数年前から知っていた。全然、今話している彼とは関係の無い人なのだけれど。



……ゲーム実況者の、キヨさん。
大学に私が入学して友達に教えて貰ったもの。
かれこれもう4年生なのだから、もう3年になる。短いけれど、投稿された物は全て見てしまった。


『……Aさん？』


『えっ！？あ、ううん。私もAでいいよ。』


歳上かも知れないしね。と私が笑うと分かった。と彼は承諾してくれた。

それから互いに電話番号を登録すると、その日の通話は終了。

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